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宗教と文化の専門新聞 創刊1897年
中外日報社「宗教文化講座」

地球環境危機 宗教の叡智発信を(12月19日付)

2025年12月23日 09時47分

恒例の今年の「新語・流行語大賞」の年間大賞には、高市早苗氏が自民党総裁に選ばれた際の言葉「働いて働いて働いて働いて働いてまいります/女性首相」が選ばれた。そのほか、「オールドメディア」や「戦後80年/昭和100年」「トランプ関税」「ミャクミャク」など、なるほどと思われる言葉も上位に並んでいる。

その中で「二季」が入っていたのは、新語としてのインパクトの強さが理由だろうか。『異常気象の未来予測』の著者、立花義裕・三重大大学院教授が表彰式に出席した。長引いた酷暑、厳しくなりそうな冬の予兆。快適な春や秋はどこへいったという愚痴はあちこちから聞こえてくる。「二季」という言葉は、このような私たちの気分をぴたりと言い表したものといえる。

気候異常への対応、国際的な協力は今や喫緊の課題だが、どうやらそれに黄色信号が点っている。

2期目のトランプ米大統領は就任早々、地球温暖化はうそ、気候変動は史上最大の詐欺などと公言。ブラジルでのCOP30にも政府代表団を派遣しなかった。トランプ氏は「不在」によって、脱化石燃料の国際協力に圧力をかけた。

会議は確たる成果を得ないまま閉幕し、石原宏高環境相を出席させた日本は、環境NGOから消極的な姿勢を批判され、4年連続「化石賞」に選定された。

一方で、影響力はともかく、WCRPやSGIなど日本の宗教者が大会にサイドイベントで参加し、宗教者の立場で地球環境を考える視点を提示したのは注目される。温暖化を鋭く警告していたのはバチカンの教皇フランシスコで、宗教からの問題提起を促してきた。それが実を結んだとまでは言えまいが、脱炭素の国際協調が崩れそうな状況で、宗教倫理から問題点を浮き彫りにし、地球環境危機の解決の可能性を探る意義は高まっている。

宗教界といえども、すでに消費社会の構造に深く絡め取られているのが実態だ。アメリカのアーミッシュのような小規模な共同体ならともかく、現代社会にしっかりと身を置きながら消費ミニマリズムを実践するのは容易ではない。

しかし、伝統的宗教そのものの未来を考えるなら、欲望の拡大とその充足を目指す社会の動きに追随し、その中で良い位置を確保しようというような方向は可能性は乏しい。

宗教的理念に基づき可能性を探り、理念を社会へ向けて発信することが重要だ。宗教界の足元の脆弱さを批判する声は必ずあるだろうが、それに怯んではならない。

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