人から人へ
新型コロナウイルスの感染者が国内で初めて確認されてから、15日で6年になった。当時は行事、各種イベントが次々と中止され、人の動きは大きく制限された。今ではコロナ禍前に近い日常が戻ったが、先日入った飲食店に感染防止用のついたてが残っており、懐かしさを覚えた◆わずか6年の間に世の中はあまりにも多くの出来事を経験した。世界では戦争がやまず、右派の台頭も目立つ。ウェブ上の技術革新も著しく、リモートの会議が急速に普及。コロナ禍では葬儀・法要さえオンラインで営んだと話題になった◆そこへ今度は生成AIが登場した。チャットGTPなどは言語を数値化し、方向性や関係性を瞬時に組み合わせて答えを導き出す。誤りも含まれるので注意が必要だが、宗教界での活用も検討されているようだ◆釈尊は一人一人に応じて様々な教えを説いた。相手は年齢や性別、生き方も千差万別。それもあってか仏教徒はいつの時代も「釈尊ならどう語ったか」と思いを巡らした。それを形にしたものがAIの「ブッダボット」で、ブッダに対する崇敬の念の表れとも言えよう◆だが、ボットには利用者の状況や心境などは伝わらない。ツールとしては有用だろうが、ブッダの金言からそれらしく教えを生成しても、受け手に響くかどうかも分からない。技術が革新しても仏教とは人から人へと伝わるものではないだろうか。(赤坂史人)











