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宗教と文化の専門新聞 創刊1897年
中外日報社「宗教文化講座」

仏様の前でスマホ教室 高齢者の疎外感解消に

山形県米沢市・浄土宗西蓮寺 伊藤竜信住職

スマホのカメラで仏像を撮影する参加者と伊藤住職(右端) スマホのカメラで仏像を撮影する参加者と伊藤住職(右端)

山形県米沢市の寺町の一画に浄土宗西蓮寺はあり、地域住民向けにスマートフォンの使い方教室を定期的に開いている。伊藤竜信住職は「お盆や正月にしか会えないような遠方に住む娘さんとSNSを通じてつながれた場面に居合わせて、その喜びを一緒に味わうことができるのも醍醐味」と話す。

伊藤住職は臨床仏教師でもあり、市内の病院の緩和ケア病棟で傾聴ボランティアを行っている。参加者が互いの介護についての悩みを語り合う介護者サロン「わげんカフェ」を開いているほか、サッカー好きが高じてワールドカップのたびに日本戦のパブリックビューイングを本堂で催すなど、地域に寺院を開き、生老病死のあらゆる場面に関わる活動に積極的に取り組んできた。

2021年にスマホ教室を始めたきっかけは、高齢のカフェ参加者から「家族の中でスマホを使えないのは私だけ。お嫁さんが孫とやりとりをしているのがうらやましい」という愚痴を聞いたこと。自分だけスマホを使えないという状況が、疎外感を生むことになりかねないと憂慮した伊藤住職は、地域おこし協力隊の元隊員でその後に定住しパソコン教室を開いていた知人に呼び掛け、講師を依頼することにした。

ちょうどコロナ禍で、オンライン法要に対応するため本堂に無線LAN設備を導入したばかりだったこともタイミングが良かった。「仏さまの前でやさしく伝える教室」をモットーに、不慣れな人にも分かりやすい言葉で、何度同じことを聞かれても優しく対応することを心掛けている。

教室は隔月の友引の日に開き、これまで21回を数える。参加料は700円。スマホ初心者から常連となった人も含め毎回10人ほどが参加している。前半では、操作・設定の初歩やSNSの利用法、きれいに写真を撮影するコツなど、毎回テーマを決めて講師が解説。参加者からの個別の質問や相談に乗る後半では、伊藤住職が対応することもある。

スマホ撮影の被写体として寺の仏像や境内を撮影してもらうのは、少しでも参加者に仏教に親しんでほしいため。「14年に寺に戻るまで20年近く東京にいたこともあり、改めて地域になじむために様々な活動をしてきたが、根っこにある思いは一つ。仏様やお寺が地域や人々のそばにある生活の素晴らしさ、豊かさを伝えたい」と目を細めた。

(佐藤慎太郎)

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