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中外日報社「宗教文化講座」

高市与党一強時代 「良心の府」としての宗教(2月27日付)

2026年3月4日 09時19分

先般の衆議院総選挙では、高市早苗首相率いる自民党が定数の3分の2を超える議席を獲得した。連立を組む日本維新の会も合わせると実に4分の3の議席を占める。高市与党一強時代の到来である。高市首相は憲法改正を含め、国論を二分する課題に果敢に挑むと述べているが、野党による批判的機能が十分に果たせないまま、多数決の論理で押し切るのではないかという不安がよぎる。

そこで改めて期待したいのは「良識の府」としての役割を持つ参議院である。幸い参議院では与野党は拮抗している。しっかりとした批判勢力があってこそ、政府はおごることなく全体のバランスを取りながら政局を運営することができるのである。

このように考えてみたとき、現今の日本の政局に対して、もし宗教界から期待できるものがあるとすれば、それは何であろうか。もしかしたら、それは各国会議員における宗教的な良心ではないだろうか。信仰は個人の内面の営みであり、それ自体は党議拘束を免れている。その意味で、国会には目に見えない形で「良心の府」も存在すると考えたい。

国会議員の信じる宗教といっても正確な統計があるわけではない。旧統一教会からの選挙協力などは論外にしても、ただ単に票田となりそうな教団の信徒に過ぎない場合もあろうし、複数の宗教を掛け持ちしている場合も考えられる。でも、大体において日本人全体の宗教人口比とさほど変わらないとみてよいのではなかろうか。つまり、伝統仏教、新宗教、キリスト教などの信者が一定数いて、また特定の信仰を持たずとも宗教心を持ち、これを尊重する層も存在するのである。

同じ宗教の信者でも同じ政党とは限らないが故に、超党派でつながることも可能だろう。そんなとき、たとえ国論を二分するような法案が審議される場合でも議員は信仰という「良心の府」に立って、党利党略を超えてこれを真剣に考えることができるはずだ。そこには高市与党一強には収まらないもう一つの“勢力図”が潜在的に展開しているとみることができよう。

どの宗教の教えも大所高所から人々を神仏に導き、人心の救いだけでなく、この世の改善についても説いている。議員はまたそれぞれ寺院や教会で、そうした説法や講話を聴いてきたことであろう。また、自分なりに教えを心に収めているはずである。だとすれば、重要な法案であればあるほど、どの議員においても内面の「良心の府」に照らして審議に加わっていただきたいものだ。

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