隔靴掻痒の感
中外日報の創刊者・真渓涙骨にちなむ第22回涙骨賞の受賞者が本紙15日付で発表された。受賞作は本日付から本紙に連載形式で掲載される(後日ホームページでも公開)ので、読者の方々にもぜひご高覧いただきたい◆事務局担当としてここ数年、諸々の手続きや社内選考、選考委員による本審査等に携わってきた。応募作はいずれもキラリと光るところのある力作ぞろいで、毎回楽しみに精読している◆受賞をきっかけとした若手・中堅研究者のさらなる飛躍や、まだ見ぬ在野の知見の掘り起こしの一助となれば何より。公開を前提とした懸賞論文でもあり、2万字程度という限られた紙幅の中で、自らの論旨の新規性や独自性を分かりやすくアピールした論文に出会える喜びもある◆あくまで一般論だが、文章力は優れているのに木に竹を接いだような議論が展開されていたり、テーマ自体は目を引いても資料の使い方や裏付けが弱かったりする原稿や論文を読んでいると、いささか隔靴掻痒の感が付いて回る。それは他者の文章であるが故のもどかしさでもある◆普段の生活においても、独り善がりな表現ではないか、ごく狭い問題意識にとらわれてはいないか、その分野における重要な論点を取りこぼしてはいないか、などといった目配りは重要となる。気が付いたことは自分の靴の中のことと捉え、都度見直すことを心がけたい。(佐藤慎太郎)







