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宗教と文化の専門新聞 創刊1897年
中外日報社「宗教文化講座」

不機嫌の魔力

〈コラム〉風鐸2026年7月15日 17時00分

ここ数年、フキハラ(不機嫌ハラスメント)という言葉を耳にすることが増えた。言葉こそ新しいが、不機嫌な人の顔色をうかがい、息苦しい思いをした経験は多くの人が持っているのではないか。誰か一人の機嫌が、その場の空気を一変させることは珍しくない◆不機嫌は伝播する。険しい表情や投げやりな態度は周囲の緊張を生み、人は相手の顔色をうかがうようになる。その力を知っているからこそ、私たちは時に、その魔力に頼りたくなる◆不機嫌とは三毒の一つ「瞋」(怒り)が現れた姿ともいえる。不機嫌によって、何かを思い通りにしても、その代償として信頼は少しずつ失われ、人との縁も損なわれていく。人を動かせても、人の心までは得られない◆だからこそ仏教は和顔愛語を勧める。穏やかな表情と慈しみの言葉は、人を支配するためではなく、共に生きるための智慧である。私たちは誰もが、不機嫌に頼りたくなる弱さを持っている。その弱さを認め、周囲の人が安心できる存在でありたい。そんな日々の心掛けが修行なのだろう。自戒を込めて。(奥西極)

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長らくご愛顧を賜りありがとうございました。(2025.10.1)
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