仏教離信者
アメリカのピュー研究所は最近「なぜ仏教は世界的に縮小しているのか?」という研究員のリポートを公表した。同研究所の調査によれば、2010年には世界中で推定3億4300万人が自分を仏教徒と認識していたが、20年時点では3億2400万人に減少したという◆同じ10年間に世界人口は12%増加し、キリスト教やイスラム教など他の宗教グループも信者数を増やした。この結果、仏教徒が世界人口に占める割合は4・9%から4・1%に下落した◆こうした仏教の「縮小」の背景についてリポートは、仏教徒の約4割が中国、日本、韓国、台湾、香港の5地域に住み、この地域は年齢中央値が高く、出生率が低いこと、さらに多くの成人が子ども時代の宗教を離れていることを指摘する。当該5地域で10年間に仏教徒は3200万人減少したという◆日本の仏教にとって問題は「成人後の離信率」だろう。つまり親の世代の信仰が子の世代に伝えられていないことだ。一方で、ネガティブな「宗教2世問題」も無視はできないが、日本の宗教伝統を次世代に伝えるために幼少時の宗教環境を豊かなものにする努力が求められている◆欧米の宗教観では「仏教からの離信者」と捉えられる、無宗教を自認する若い世代に、釈迦の教えを仏教の真理としてもっと積極的に浸透させていくことが課題だ。(津村恵史)










