PR
購読試読
中外日報社ロゴ 中外日報社ロゴ
宗教と文化の専門新聞 創刊1897年
2025宗教文化講座
PR
2025宗教文化講座

神社仏閣で平和を願う揮毫イベントを実施する 宮本辰彦氏(60)

ほっとインタビュー2025年6月24日 09時49分
神社仏閣で平和を願う揮毫イベントを実施する 宮本辰彦氏 みやもと・たつひこ氏=1964年生まれ。思想家・プロデューサー。2014年に「和プロジェクトTAISHI」を創設。和の精神が明文化された「十七条憲法」の世界記憶遺産登録も目指す。著書に『生まれ変わる極意』など。

世界平和を願い、全国各地の神社仏閣などで書家や高校書道部による平和揮毫イベントを実施する「和プロジェクトTAISHI」の代表を務める。当初はなかなか理解を得られなかった活動だが、平和に対する強い思いと行動力で、次第に賛同者を増やしてきた。

佐藤慎太郎

神社仏閣での平和揮毫が活動の中心ですね。

宮本 日本人の魂に訴えかけるには神社仏閣を会場にするしかない、という思いからです。また書家が大書揮毫する姿には、オーケストラの指揮者が観客を巻き込んでいくのにも似た文化を発信する強い力があります。そして高校書道部にも参加してもらうことで、次世代、若い世代への意識の啓発も図っています。

国連の定めた9月21日の「国際平和デー」に合わせて、靖国神社と全国の護国神社、そして広島・長崎の平和公園で平和揮毫を実施しています。靖国神社や護国神社はいまだ軍国主義のイメージが強いかもしれませんが、祀られている英霊は誰よりも平和を願っていたはずです。また広島と長崎の平和公園とも同時に、共通の趣旨で開催するイベントは珍しいと思います。しかしこれらの場所は、誰よりも平和を願う人たちの心の拠り所であることに変わりはありません。

「十七条憲法」の制定日とされる4月3日には、寺院を中心に行っています。今年は聖徳太子ゆかりの法隆寺や四天王寺をはじめ、宗派の総大本山を含む全国45カ寺にまで広がりました。また各国大使館からの参加もあり、平和のメッセージを母国語で寄せ書きしてもらっています。

とはいえ活動を始めたばかりの頃は、趣旨の説明に伺ってもほとんどのお寺で門前払いのような扱いを受け「あなた、まともじゃないよ」と言われたこともあります。しかし回を重ねて何度も足を運ぶうちに賛同していただけるお寺が増え、時には快く別のお寺を紹介していただけるようにもなりました。

どうして「和」の精神に着目されたのですか。

宮本 終戦から80年が経過しますが、これまで日本で平和が保たれてきた理由について考えたとき、戦争を実際に体験した人の切実な思いこそが結果的に「抑止力」となってきたのだと思っています。

しかし次第にそうした方々がいなくなる中、次の抑止力となるものが求められています。それこそが、日本のあるべき姿、アイデンティティーを示すものとしての「以和為貴(わをもってとうとしとなす)」の精神だと考えました。これは1400…

つづきは2025年6月11日号をご覧ください

沖縄の現代史を描く映画を監督したキャスター 佐古忠彦氏

沖縄の現代史を描く映画を監督したキャスター 佐古忠彦氏

5月26日

本土復帰から53年を迎える沖縄の現代史を描くドキュメンタリー映画「太陽の運命」の監督を務めた。大田昌秀、翁長雄志両知事が民意を背負い国と対峙した姿から日本を照らす。「事実…

「物を慈しめる生活を」と語る遺品整理士 林邦子氏

「物を慈しめる生活を」と語る遺品整理士 林邦子氏

4月25日

遺品整理や生前整理の仕事に携わって15年。奈良県生駒市に「一林」の屋号を掲げ、1カ月で約20件の依頼を受ける。遺品整理は単なる物の処分ではなく、思い出の詰まった数々の遺品…

石という素材と向き合い続ける石工・彫刻家 齋木三男氏

石という素材と向き合い続ける石工・彫刻家 齋木三男氏

3月25日

群馬県中之条町の石材店を兄の齋木利一代表、おいの一男氏と共に営む傍ら、石彫家として国内外で個展を開くなど、芸術家としても活躍の場を広げている。石の温かみを感じさせる石仏は…

タイパで失うもの 宗教の自然な対面状況の価値(6月18日付)

社説6月20日

世界平和への貢献 具体性持った目標を(6月13日付)

社説6月18日

祖師から現代へ 期待される宗教者の指導力(6月11日付)

社説6月13日
このエントリーをはてなブックマークに追加