PR
購読試読
中外日報社ロゴ 中外日報社ロゴ
宗教と文化の専門新聞 創刊1897年
新規購読紹介キャンペーン
PR
第21回涙骨賞募集

鼻つまむ一茶

〈コラム〉風鐸2024年6月5日 10時32分

生涯で2万句以上を詠んだという小林一茶の俳句には、小さな生き物への慈しみを感じさせるものが少なくない。代表句「雀の子そこのけそこのけお馬が通る」「やれ打つな蝿が手をすり足をする」などは、最たる例だろう◆ほかに、こんな句もある。「御仏の鼻の先にて屁ひり虫」。屁ひり虫はカメムシのこと。秋の季語だから、秋彼岸あたりに寺を詣でた時の情景だろうか。よりによって、仏像の鼻先で強烈な放屁をやってのけたのかもしれない◆屁ひり虫ことカメムシが、春先から各地で大量発生しているという。例年は夏から晩秋にかけて多く現れるため、かなり早い。取り込んだ洗濯物にくっついていたり、知らない間に室内に入り込んでいたりして、とにかく始末に負えない◆においばかりではない。大量に発生しているツヤアオカメムシやクサギカメムシなどは、植物や果実に被害を与えることから、法律により病害虫に指定される。関東から九州の25を超す都府県で「カメムシ注意報」が発表される事態となっており、果樹生産への影響が懸念されている◆屁ひり虫を季題とした一茶の俳句はほかに十数句ある。そのうちの一句を引く。「虫の屁を指して笑ひ仏哉」。またも仏像の鼻先で屁をひったのかどうか。いずれにせよ、仏様も笑っていられない状況が続く。さしもの一茶も、鼻をつまんでいるかもしれない。(三輪万明)

隗より始めよ

10月2日

中国戦国時代、燕の昭王は人に問うた。隣国・斉との戦いで衰微した我が国を立て直すには、有為の人が要る。どうすればそのような人物が得られるか。人は答えて言った。「まずは私を厚…

くぼみかハートか

9月19日

峡谷に架かるアーチ橋から川面をのぞこうとすると、張り出した岩の上部にくぼみを見付けることができる。自然に穿たれたそのくぼみに雨水などがたまると、ハートマークが浮かび上がる…

「最後の晩餐」

9月11日

パリ・オリンピックで選手らの活躍は人々に感動を与えた。一方で商業主義の弊害、大会理念の風化といった問題に改善はなかった◆オリンピックは全人類が共有できる価値観のもと開催さ…

米世論の20年間の変化 増えた「無宗教者」のゆくえ(10月2日付)

社説10月4日

ロボット社会 科学の未来は人間が決める(9月27日付)

社説10月2日

憂うべき国際関係 危機だからこそ冷静に(9月25日付)

社説9月27日
このエントリーをはてなブックマークに追加