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音楽通して国内外へ布教 御詠歌から得た出会い

岡山市南区 真言宗御室派松林寺 荒城祥善住職

「御詠歌コンサートを成功させたい」と話す荒城住職 「御詠歌コンサートを成功させたい」と話す荒城住職

岡山市南区の荒城祥善・真言宗御室派松林寺住職(44)は、御詠歌と自身の音楽活動を通して地域の人々への布教を続けてきた。9日には自坊で音楽イベント「蓮音(ハスオト)」を開催。同じく御室派の僧侶でバイオリン奏者の大原英揮・遍照院住職と共に演奏を披露して会場を沸かせた。

4月からは仁和伝法学院で御詠歌の講師を務めている。諡号奉讃1100年の記念大法会が修された2021年、上級試験の最終詠階「詠匠」に任ぜられた。高野山で指導に当たった立葉了照詠監の言葉が御詠歌を続ける支えになっている。

御詠歌の魅力は布教の要素が詰まっているところだと感じている。歌詞の意味を説明できるようになれば法話のネタにもでき、理解も深まる。本山布教師として活躍する師父の荒城賢真・名誉住職からも、布教や人前で話すことの重要性は言われていたという。

かつては「寺は継がない」と明言していた時期もあり、バンド活動でドラム演奏に熱中、ハイエースで全国を回りライブに明け暮れた。25歳で音楽活動に終止符を打って仁和伝法学院で修行。自坊に帰った時は御詠歌について全く知識がなかったが、熱心な講員約20人が月に2回、練習を重ねており、指導する立場に回らなければならなかった。必要に迫られて懸命に技術習得に励んだが、音楽の経験が生かされて理解は早かったという。

金剛流が100年となるのを記念した「御詠歌コンサート」(古賀一弘・実行委員長)にも参加する。12月10日、会場はオーストリア・ウィーン楽友協会大ホール。1870年建設の同ホールは華やかな装飾と音響を兼ね備え、ウィーンフィルのニューイヤーコンサートで知られる。音楽愛好者なら皆が憧れる場だ。

「バンドを続けていたらウィーンに行く機会は得られなかった。御詠歌が出会いや縁をくれた」と話す。同実行委は機材輸送費などを調達するクラウドファンディングを始めた。コンサートに関わる全員が流祖・曽我部俊雄大和尚の夢をかなえようと力を尽くす。

自坊は739(天平11)年に備前国の国分尼寺として建立された。江戸期250年間は池田藩の祈願所として歴代岡山城主の信仰を受けるが、明治期に近隣2カ寺と合併し、三尊を祀る。2021年に晋山した。長年の歴史・信仰を、音楽を通じ国内外に伝えていくつもりだ。

(磯部五月)

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