PR
購読試読
中外日報社ロゴ 中外日報社ロゴ
宗教と文化の専門新聞 創刊1897年
新規購読紹介キャンペーン
PR
第21回涙骨賞募集 2024宗教文化講座

自然資源生かし「農福連携」 傾聴喫茶 地元と運営

北海道えりも町・曹洞宗法光寺 佐野俊也住職

ケアする人、される人の枠を超えた「人と人の付き合い」が大切と語る佐野俊也住職 ケアする人、される人の枠を超えた「人と人の付き合い」が大切と語る佐野俊也住職

北海道えりも町と近隣自治体の宗教者や医療関係者らでつくる「カフェデモンクえりも」の代表を務める。月に1度のサロンをはじめ、地域の自然資源を生かした「農福連携」の活動など様々な取り組みを通して地域のコミュニティーづくりに貢献している。「ケアする人と、ケアされる人という一方的な関係ではなく、みんなで集まって話をしたり、仲間をつくったりできる緩やかな関係を地域住民の目線でつくっていきたい」と話す。

2018年の北海道胆振東部地震の際、被災地支援を行った移動傾聴喫茶「カフェ・デ・モンク」の活動に、精神科医の川村敏明氏が院長を務める浦河ひがし町診療所の患者らが参加。普段はケアされる側の患者が、主体的に活動し「自分たちも誰かの役に立つことができる」という自信につながったことからヒントを得て、一方的ではない人間関係を継続させたいとカフェデモンクえりもを発足させた。

サロンには、えりも町の地域住民や心の問題を抱える人とその家族、看護師やソーシャルワーカーが集まり、対等な関係で会話を楽しむ。体操教室や、研究者を講師に招く特別イベント「哲学カフェ」も人気だ。

地元の業者と協働しての農福連携プロジェクトは今年3年目を迎える。一年を通してトマトやほうれん草の生産を、苗植えから出荷、販売まで行う。収穫には、普段は農業と縁のない地元幼稚園の園児も参加する。トマトは地元のマルシェのほか、札幌市で開かれたフェスでも販売した。「農業を通して、自ら身体を動かす喜びを知ってもらいたい。えりも町は漁業不振の影響もあり、産業が苦境に立たされている。将来的には農福連携のプロジェクトを事業として発展させ、新しい雇用を生み出したい」と話す。

活動する上で「同じ人と人の付き合いである」ことを常に意識している。「宗教者は、どうしても一つの枠の中で考えてしまうことがある。住職と信徒という関係を離れて同じ目線で考えると、無意識の差別意識や傲慢さに気付くこともある」という。

「『仏教的に言えばこうだ』という理屈は実は後付けで、単純に、様々な人と一緒に活動するのを楽しんでいるということも多い。肩肘張らずに『一緒に楽しくお話ししませんか?』というスタンスで活動の輪を広げていきたい」と今後の展望を語る。

(奥西極)

フリースクールの子どもらと触れ合う児玉副住職(右から2人目)

幼稚園を核に教育活動 コロナ機に改革進める

7月26日

名古屋市守山区の浄土宗浄土院は同寺を母体とする守山幼稚園を核に様々な教育事業を展開している。1日には児童発達支援事業所「あったか」を境内に開設。活動を牽引する園長の児玉匡…

あそかビハーラ病院で患者に声を掛ける新堀氏

あそか病院勤務縁に得度 「仏」の視点で医療従事

7月5日

浄土真宗本願寺派が開設した独立型緩和ケア病棟・あそかビハーラ病院(京都府城陽市)で看護課長を務める。同病院での勤務を縁に本願寺派で2018年に得度した。「自分の価値観の何…

防災グッズについて説明する岩間代表

寺院物資を施設に提供 防災啓発イベント企画

6月21日

浄土真宗本願寺派岐阜教区の坊守・寺族女性ら有志によるIBE(アイビー)会は2020年、当時岐阜教区寺族女性連盟の委員長を務めていた光顔寺坊守の岩間尚子氏を中心に結成された…

漂流ポスト寺で継承 故人への思い受け止め(7月24日付)

社説7月26日

孤立出産女性への支え まず事情を聴くことから(7月19日付)

社説7月24日

SNSがもたらす錯覚 信頼する情報の見分け方(7月17日付)

社説7月19日
このエントリーをはてなブックマークに追加