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印の仏教復興に注力 協会設立し、弱者を支援

インド・天台宗禅定林 サンガラトナ・法天・マナケ住職

パンニャ・メッタ学園の生徒を前に法話するサンガ住職 パンニャ・メッタ学園の生徒を前に法話するサンガ住職

インド唯一の天台宗寺院として知られる禅定林(マハーラーシュトラ州バンダラ県)は、サンガ住職が9歳で来日して比叡山での15年間の修行の後に帰国し「インド仏教の復興」を志して1987年に開創した。同時にパンニャ・メッタ協会(PMS)を設立して仏教の精神で教育、医療支援など社会福祉活動にも取り組んでおり、その37年間の努力は着実に実を結び、現地に大乗仏教の教えが広がっている。

禅定林およびパンニャ・メッタ協会の活動は、日本の天台宗僧侶有志で組織するパンニャ・メッタ協会日本委員会(PMJ)に支えられ、一隅を照らす運動総本部などの支援を受けながら、パンニャ・メッタ子どもの家(孤児院)や貧困家庭の児童のための教育を支援するパンニャ・メッタ学園の運営をはじめ、地域の巡回医療活動も行っている。

今年2月、禅定林開創37周年と大本堂落慶17年の禅定林例祭法要が営まれた。法要には日本委員会の谷晃昭理事長(西光寺住職)、村上圓竜副理事長(覚王山日泰寺住職)、横山照泰・事務局長(比叡山行院長)、中島隆乗教化部長ら14人が参列。現地の参集者は過去最高の30万人で、17年前の大本堂落慶の時と比べ3倍に増えた。

日本からの参拝団一行は、法要の前後に支援先の施設などを訪問。行く先々で能登半島地震の募金が寄せられ、総額で7万5947ルピー(約13万7600円)となった。

サンガ住職によると「浄財は、貧しいながらも食事1食もしくは2食分を食べずに1ルピー、5ルピー、10ルピーを寄せてくれたとても有り難いものです」とのこと。大乗仏教、忘己利他の精神が現地に広がっている証しだという。

サンガ住職は1962年、インド・ナグプール出身。両親はヒンドゥー教徒(カーストはマハール)だったが、アンベードカル博士(1891~1956)に帰依し仏教徒に改宗した。博士の縁で9歳で日本に留学して堀澤祖門・泰門庵住職(現在は探題)のもとで修行、比叡山中高、叡山学院を卒業し、28歳の時に帰国した。

「2027年には禅定林開創40周年、大本堂落慶20周年を迎える。大本堂僧坊の増築や屋根の修理を予定しているが、伝教大師の教えを礎とした人を育てることに取り組んでいきたい」

(河合清治)

地域の子どもたちと行った今年の春のジャガイモの収穫。右端が髙瀬副住職(写真は一部加工しています)

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