二次被害
〈コラム〉風鐸2026年10月7日 11時46分
地震や豪雨、今年は例年にも増して災害が相次いでいる。被災された方々の心痛は察するに余りあるが、先日思わぬ二次被害の話を聞いた◆地震で伽藍が倒壊した寺院の住職が、支援を受けられないかと役所に相談に行ったところ、窓口で「寺は駄目」と話を聞こうともせず門前払いにされた。役所の人も余裕がなかったのだろう。しかし藁にもすがる思いだっただけに、木で鼻をくくるような応対をされ、折れかかる心がさらに痛んだという◆災害報道でよく使われる「一日も早い復興を」という言葉も、被災者を追い詰めてはいないだろうか。当事者が早くと願うのは当然だが、災害に遭っていない者から、それもたびたび言われれば復興をせかすプレッシャーとなり、無用な重荷を背負わされることになりかねない◆車中泊による体調不良などは災害の二次被害としてよく知られるようになったが、精神的苦痛は目に見えず分かりにくい。仏教では口は斧にも例えられる。被災地ではもちろん、常の生活においても知らぬうちに人を傷つけることのないよう心したい。(有吉英治)








