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宗教と文化の専門新聞 創刊1897年
中外日報社「宗教文化講座」

催し多彩 人が集う寺へ 国際布教師の経験生かし工夫

東京都中野区・曹洞宗宗清寺 飯島尚之住職

イベントなどを通して寺と地域との接点づくりに取り組む宗清寺の飯島尚之住職 イベントなどを通して寺と地域との接点づくりに取り組む宗清寺の飯島尚之住職

本堂を無償で提供し、演劇や音楽などのイベントを定期的に催すなど様々な仕掛けや工夫を凝らし、地域の人々が日常的に集う寺を目指している。「寺院の存在価値や意義が問われる昨今、イベントを通して社会との接点を保ちながら、問題解決の糸口を模索している。常に危機感を持ちつつも、どうすればお寺に足を運んでもらえるか、と考える時間を楽しんでいる」と話す。

大本山總持寺での修行後、米国ハワイの正法寺に国際布教師として赴任し、12年間にわたって布教教化に努めた。コロナ禍後に増えた一日葬や家族葬、仏事に対する意識の変化など、現在の日本の仏教界が直面する問題を、約40年前のハワイで既に経験していた。

「寺院に足を運ぶ理由づくりや、お寺で過ごす時間に価値を見いだしてもらえるような工夫が必要な場に身を置いていたことが、現在の寺院運営に役立った」という。

帰国してから、曹洞宗の国際布教を支援するSОTО禅インターナショナルで、事務局長として海外寺院の記念行事などを応援。永平寺高祖道元禅師750回大遠忌の文化事業からスタートした夏期大学講座「禅といま」は、毎年300人の受講者を東京グランドホテル(東京都港区)に集め、仏教と縁のなかった人にも禅の魅力を発信し続けた。

さらに2006年から全日本仏教会に出向し、財団法人設立50周年記念事業にも携わった。その中で一人でも多くの人々に仏教に接する機会を提供した経験から、自坊でのイベント開催や運営にもつながった。

「伝える技術」も学んできた。コピーライター養成講座を受講し、檀信徒への案内状や仏教の伝え方にも工夫を凝らす。年回早見表には「あの時は、こんな時代でした」と添え、年回と当時の出来事や話題を紹介。「おじいちゃんが亡くなった年はこういうことがあったな、と思ってもらえるだけでも、手を合わせるきっかけになる」と語る。

年内は元NHKアナウンサーの山根基世氏による「山根基世・朗読の会」や、落語と講談を予定している。「全国どこのお寺でも企画可能。ご興味があればご相談ください」と話す。

地域の文化を発信する拠点の寺として、定着しつつある。

(奥西極)

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