人とのつながり大切に
臨済宗方広寺派 法山髙秀宗務総長(67)
1日から臨済宗方広寺派宗務総長の2期目に入った。1期目は新型コロナウイルス感染症の拡大で宗務、本山運営に大きな影響を受けたが、大本山方広寺(浜松市北区)の参拝者を増やすための事業を進めてきた。根底にあるのは、人とのつながりを大切にしていきたいという思いだ。
コロナ禍の下、これまであった企業などによる研修がなくなり参拝者は激減した。「なるようにしかならない」。いつか収束する日が来ることを見据え、本山の認知度を高めることに力を注いだ。ミュージックビデオや映画のロケ撮影などの要望があれば、基本的に何でも受けるようにしている。「知ってもらい、一度でも来てもらえれば、方広寺の良さを感じてもらえる」と話す。
浜松市南区の地蔵院に生まれた。大正大卒業後、方広寺専門道場に掛搭。寺院に戻ってから宗派の青年会に参加。自身が会長になった際には、海外の仏跡を巡る研修を企画した。「昔からみんなと仲良く群れたいという性格だった」と笑う。
宗務運営を行う上でも、人とのつながりを大切にする思いは変わらない。2期目の課題として僧侶の資質向上を掲げる。「人口減少で僧侶の数が減り、兼務寺院も増えていく。様々な地域の檀信徒と接する上で、檀信徒だけでなく、宗内寺院とのつながりも大切にできる僧侶を育てていかなければならない」
16年後に開山無文元選禅師650年遠諱を控える。「財政的な準備を整えるためにも末寺の皆さんの協力が不可欠。少しずつ皆さんからご協力をいただくためにも今がスタートする時期だ」と語る。
(甲田貴之)