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第22回「涙骨賞」を募集
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お寺づくりに直結する「僧侶の人柄」―「誰が言うか」に大きな価値(2/2ページ)

「未来の住職塾」講師 井出悦郎氏

2014年3月8日

「適切な行事・催事に加え、非常に手間のかかる儀式も実施し、信徒・檀家に積極的に関わっており、高評価」(檀家)

「前住職さん、坊守さん、若い住職さんの温かいお導きがこのお寺を心の拠り所とさせていただいている根源です。感謝の気持ちで一杯です」(檀家)

「桜の花や蓮の花などが見事で四季折々よく手入れされた境内が参拝者を迎え入れています。本堂ではミニコンサートや寄席などを、檀家さんはじめ近隣の地域住民にも開放されています。地元の誇りです」(地域住民)

本物の危機感を持つ者は、闇雲に新しいことを始めるのではなく、まずは伝統の中でお寺が提供してきた価値を真摯に自覚することからスタートする。環境変化に強いお寺づくりの第一歩は適切な現状認識である。

◇コンプライアンスを備えたお寺づくり

未来の住職塾は、簡単に言えばお寺の経営塾である。しかし、世界で一番お金を話題にしない経営塾かもしれない。

経営の語源をひもとくと、「経」とは縦糸であり、転じて物事に道筋を引くこと。「営」とは建物の周囲に外枠をめぐらすこと、つまり区画を決めることである。

経営の意味とは、組織の方向性・目標を定め、それを達成する計画を立てることと言える。言い換えると、経営とは組織の本分を全うするために不可欠な行為である。そして、いざ重大事が起きてから対処するのではなく、しっかりとした事前の計画と準備の大切さも示唆される。当然のことながら事前の計画と準備にはお金に関することも含まれる。だが、経営においてお金は全体の一部であり、お金それ自体が目的になることは決してない。

未来の住職塾では、お寺の本分をとことん突き詰める。日本を代表するトップ企業の経営人材育成のノウハウが未来の住職塾には注がれており、真摯かつ愚直にお寺の本分を追求する取り組みは日本社会に他にはない。

これほどのクオリティーのプログラムを、一般社会ではあり得ない超破格の受講料で受けられるのも魅力だろう。また「人の集まる永代供養墓講座」「伝わる寺報教室」「これからのお寺の税務・会計講座」等、お寺にとって重要なテーマを積極的に開講している。

これからのお寺づくりに重要な要素をしっかりと包括的に学べるという点では、未来の住職塾はお寺の後継者育成にも有効な場と言える。

また、受講生のほとんどが「これほど真剣に自分のお寺の未来を語り合ったことは今までなかった」と口をそろえ、すばらしい仲間との出会いに感動をおぼえている。物事に取り組むと、各所からの反発や想定外のことが起きたりして、当初の思いがしぼむことは多々ある。初心を忘れず、前進するエネルギーを保つことにも未来の住職塾のコミュニティーは活きている。

今後、未来の住職塾では公益法人としてのお寺の基盤を強める取り組みを行っていく。宗教法人法改正等が予測される中、お寺のコンプライアンス(法令順守)がますます問われる時代になるだろう。お寺にとっての宗教法人格とは戦後に与えられた特権であり、自ら勝ち取った権利ではない。

そのためか、お寺は預かりものとの意識が不十分で、財務・資産管理や法的に定められている様々な仕組みを整えることへの意識が低いのが実情だ。どんなにお寺が良いことをしても、法的な要件をクリアしていなければ足元をすくわれかねない。古来、日本仏教は、仏法と王法(世俗法)のバランスを取って歩んできたはずだ。宗教組織ならではの価値である、安心してお布施できるお寺づくりのためにもコンプライアンスは重要になるだろう。

未来の住職塾もこの4月で3年目となり、第3期の受講生を東京・名古屋・京都・大阪・博多で募集中である。現代において仏教の価値をともに切り開いていく志をもった、多くの方々との出会いが楽しみである。

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