PR
購読試読
中外日報社ロゴ 中外日報社ロゴ
宗教と文化の専門新聞 創刊1897年
中外日報社「宗教文化講座」

宗教関与の「暗と明」 ハンセン病なお続く差別(4月24日付)

2026年4月28日 10時19分

ハンセン病患者、元患者を強制的に収容して差別を拡大した「らい予防法」が廃止されて4月で30年。法の下に断種や堕胎を強要するなど過酷な人権蹂躙がついこの間まで行われていただけでなく、全国各地の療養所では今なお社会復帰さえままならない人たちが大勢暮らす。

熊本県の国立療養所菊池恵楓園を先頃見学した宗教研究者たちは、この問題への宗教の歴史的関わりの「暗と明」を実感した。

園内の会館には仏教各宗派や神道、新宗教などの仏壇祭壇がずらりと並ぶ。他の療養所でも寺院や教会という宗教施設があり、そこでは法要や祈りなどの宗教的行事が行われてきた。かつて過酷な収容生活で、入所者が互いの信仰を糧に支え合ったという意義はあった。

だが、国の施設にもかかわらずそのような設備が置かれたのは、患者として入所させられた時に所属宗教を確認し「一生ここで暮らすのだ」と死亡時の葬儀に備えるためもあったという事実がある。ある園に80年近く暮らす女性は連れてこられた少女の頃「これで死ぬまで出られないんだ」と悲嘆の底に突き落とされたという。

「患者」を見つけ出して隔離する「無癩県運動」が戦後も全国で展開された中では、地域の寺院住職らが積極的に当局に情報提供して「差し出す」働きをする例もあったという。何よりも、各地の療養所で外部から説教や伝道に入る宗教者が、その後は薬で完治した単なる感染症であるハンセン病を「仏罰」「業病」などと規定し、収容を我慢して諦めよ、来世では救われるなどと説いた歴史がある。

これらは入所者をより抑圧し、弱いいのちを守り寄り添うという宗教者の根本的な任務を放棄するどころか、差別に加担する背信行為に他ならない。だが、それを教団として総括、反省したかどうかとは別に、入所者の悲惨な現況を知って様々に支援活動をする宗教者もいる。

元患者たちは、その家族でさえいまだに偏見にさらされるため、施設を出て戻ることがかなわず、名前を変えて親類と交流を断たざるを得なかった人も多い。死してもなお帰れず、所内で火葬され保管されたままの遺骨は全国で1万7千体にも上る。

神戸から岡山の療養所に交流に通う僧侶は「知ってしまった限り何かしないではいられない」と話す。恵楓園の歴史資料館で様々な展示と共に発せられる「これを知ったあなたはどうしますか?」とのメッセージは全ての人に向けられている。

「多数」のおごり 一内閣で国の形を変えるのか(8月5日付)8月7日

政府主催の4月29日の「昭和100年記念式典」は異様だったようだ。政府からの申し出で天皇陛下がお言葉を述べる機会がなかった。天皇皇后両陛下を式典委員長の高市早苗首相ではな…

二重疎外者への支援 「宗教二世」問題から(7月31日付)8月5日

「宗教二世問題の社会的構築」とのテーマで先日、宗教社会学の会で行われたカナダ・モントリオール大のアダム・ライオンズ准教授の発表は、「カルト」問題を超えて社会的疎外者への対…

「死への援助」法可決 安楽死容認の動きへの懸念(7月29日付)7月31日

フランス国民議会(下院)で15日に「死への援助」法案が可決された。18歳以上の人に医師らが自殺ほう助を行うことを容認するもので、意図的に死をもたらす積極的安楽死を導入する…

広島原爆忌 核兵器廃絶へ願い 最多の121カ国・地域が参加

ニュース8月7日
世界平和を祈り黙祷する諸宗教の代表者

平和へ祈りと対話継続を 比叡山宗教サミット39周年 杉谷義純氏講演

ニュース8月7日
原爆供養塔前での法要で導師を勤める八木住職

原爆供養塔で慰霊 宗派超えて祈り 広島戦災供養会

ニュース8月7日
「墨跡付き仏像カレンダー」の製造販売は2025年版をもって終了いたしました。
長らくご愛顧を賜りありがとうございました。(2025.10.1)
中外日報社Twitter 中外日報社Facebook
このエントリーをはてなブックマークに追加