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殺傷武器輸出解禁 その危うさに意見発信を(4月29日付)

2026年5月1日 09時45分

政府は先頃、5類型(救難・輸送・警戒・監視・掃海)に限っていた武器輸出原則を撤廃し、殺傷能力がある武器の輸出を全面的に解禁した。これは、多くの国民にとって寝耳に水の驚きであった。事前に国会で意見を聴取せず、国民への丁寧な説明もなく、閣議決定だけで国の重大方針を決めてしまったことに、大きな危惧を覚える。

高市首相は、時代が変わった、安全保障のために防衛産業を強化すると強弁するが、国の基本施策をそうやすやすと変更してもよいのだろうか。確かに戦後80年間に世界情勢は大きく変化してきたが、日本は憲法の下に平和を重んじる国家で一貫してきたはずだ。

今回の殺傷武器輸出決定の背景には、ウクライナ支援や対イラン戦争でアメリカの兵器生産が追いつかなくなり、日本政府が好機到来と判断したという指摘もある。5月上旬に高市首相はベトナムとオーストラリア、小泉防衛相はインドネシアとフィリピンをそれぞれ訪問して、トップセールスを行いたいからという見方もある。政府首脳自ら「死の商人」のお先棒を担ぐようなありさまである。

武器輸出先は厳しく限定し、紛争当事国には輸出しないというが、現実問題としてそれがどこまで守られるか当てにならない。実際、国際法や人権を無視する国は少なくない。何よりも恐るべきことは、メード・イン・ジャパンの武器によって、世界のどこかの人々が生命を失い、心身に大きな傷を負う可能性があることだ。そんなことになれば、どんなに武器輸出で利益を上げたところで、日本が築いてきた平和国家としての国際的信頼性を大きく損なってしまうだろう。

日本が平和国家である以上、国際的な利害対立の問題には、いかなる武器も使用せず、また使用もさせず、相互の信頼構築に力を入れ、人道支援や経済協力という形に徹するという方針で進めていくべきだ。

高市内閣には、憲法改正に始まり、スパイ防止法案や国家情報局設置なども含め、世論の動向や国会の審議を軽視した性急な動きが見られる。選挙で大勝したからといって、有権者は政権与党に全権委任を与えたわけではない。

こうした一連の動きに対して、今更ながら国民は絶えず政治を監視し、政権に物申していくことが求められる。そして在野の中の在野たる宗教界もまた、徹底した平和主義と生命尊重のメッセージを発信し、国内外の心ある人々に訴えるとともに、政府に対して平和国家を堅持していくよう、絶えず働きかけていくべきである。

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