「ただ信心」の教え…前田壽雄著
著者は浄土真宗本願寺派専念寺(北海道北見市)の住職で、第4世住職継職法要を機縁として本書を記念出版した。探究社発刊の季刊誌『よろこび―お寺と家庭をつなぐ法話の便り―』に長年掲載してきた法話をまとめた一冊だ。
本書で著者は、浄土真宗の教えは「ただ信心」で「阿弥陀如来がこの私たちを浄土に往生させ、仏にならせるためにお示しくださったおこころである」と語る。「ただ信心」の教えを、日常の出来事や人生の経験を通して平易な言葉で丁寧に解き明かす。
本書に収められた法話は正月、彼岸、盆、報恩講といった年中の仏事ごとに整理されている。それぞれの仏事の意味や意義を伝えながら、新型コロナウイルス禍など社会の動向、自身や家族の体験などを切り口として、宗祖親鸞聖人の生涯や言葉、そして念仏の教えへと読者を導いていく。必要に応じて執筆年代も補われており、その時代の空気感も感じ取りながら読むことができる。
語りかけるような文章でつづられ、浄土真宗の教えに初めて触れる人にも親しみやすい。また「ただ信心」の教えを、改めて生活に引き寄せて味わう契機ともなるだろう。門信徒はもちろん、仏教の教えを身近な言葉で学びたい人にも薦められる法話集だ。
定価1320円、探究社(電話077・599・4201)刊。



