親鸞の和讃を歌う作曲家 平田聖子氏(66)
親鸞聖人の和讃を歌詞とする作曲で知られ、プロや真宗各派の合唱愛好家と和讃を歌うコンサートシリーズ「親鸞が音楽で現代に甦る。」は17日の名古屋公演で節目の第10回を迎える。「親鸞聖人の和讃の一つずつに育てられている」と自身の歩みを語る。
池田圭
愛知県芸術劇場コンサートホール(名古屋市東区)で開く17日の公演では、新曲も披露されるそうですね。
平田 24年10月から昨年5月末に「子どものための仏教讃歌 歌詞募集」を行い、応募があった102作から選んで作曲した8曲を発表します。
この企画は21年12月に鹿児島で開いた「親鸞が音楽で現代に甦る。」シリーズの第5回公演の際に、保育園・幼稚園経営に長年携わった90代の元ご住職から「子ども向けの仏教讃歌が少ない。これでは現代の子どもたちに仏法が伝わっていかない」と訴えられたのがきっかけです。不思議なことにそれ以来、別の場所でも同様のご意見を頂くことが続きました。
今回の8曲はそれぞれ曲調が異なり、幼児向け、保育士と一緒に歌う、大人が歌っても親しみやすいなどと想定も様々。混声や女声二部など編成も変えるほか、盆踊りもつくりました。
仏教音楽の作曲は母からの要望がきっかけだった。
平田 実家が篤信の浄土真宗本願寺派の門徒で、1995年2月に近所の寺の報恩講から帰宅した母から「親鸞聖人の和讃『弥陀の本願信ずべし』をぜひ作曲してほしい」と。それで軽い気持ちで作曲したのですが、当時、本願寺派三河別院の輪番だった我が家の所属寺の住職がとても喜んで別院で歌われるようになり、それから別院の報恩講で毎年新曲も発表しました。
そうこうしているうちに他派の方々にも評判が広がり、2005年に法藏館から親鸞和讃曲集『本願力にあいぬれば』を出版。それを皮切りに楽譜やCDを刊行・リリースしています。今回発表する8曲を含め、これまでの作曲数は和讃約50首を中心に70曲ほどになります。
仏教音楽の作曲で心境や考え方は変わりましたか。
平田 私が芸大に在学していた頃から1995年頃は音楽も美術も前衛性を強く求める空気がありました。私も前衛的な現代曲を作らないと作曲家として生き残れない気がして一生懸命だったのですが、現代曲は大衆が広く支持するものではないのでコンクールなどで発表しても再演する機会はほとんどない。また「自分にないものを書いている」という感覚もありまし…
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