ロボットの未来
〈コラム〉風鐸2026年9月9日 13時41分
8月末、北京で人型ロボットのスポーツ大会が開かれた。昨年に続く2回目で、中国や米国、日本など16カ国から2千台以上のロボットが参加し、陸上やサッカーなど51の競技を繰り広げた◆陸上100㍍走では、ウサイン・ボルトが持つ世界記録を上回る9秒32が出たという。昨年の最高タイムより12秒以上速く、ロボット開発における技術革新のスピードには目を見張るものがある◆感心してばかりもいられない。競い合っているのはロボットだけではなく、ほかでもない人であり国家でもあるからだ。自律型ロボットやフィジカルAIの分野では、米中が激しく覇権を争う。その先には、ロボットの軍事転用で主導権を握りたいとの思惑が見て取れる◆自爆型ドローンなどの自律型致死兵器(LAWS)は「究極のAI兵器」「殺人ロボット」とも呼ばれ、既に実戦投入されている。国際規制の議論を置き去りにして、兵器開発が進んでいるのが現状だ。ロボットたちの運動会は、未来の可能性を映し出すと同時に、ロボットが戦争の道具と化す倫理的な危うさをも予感させる。(三輪万明)






