AIの倫理
〈コラム〉風鐸2026年8月26日 13時29分
米の29歳の女性が昨年6月に自殺したことで遺族がChatGPTを開発したOpenAI社を訴えた。ChatGPTが故人のメシア思想的な妄想を助長するやりとりを繰り返し自殺に追い込んだとして、その責任を問う訴訟だ◆これはどういうことかChatGPTに質問してみた。すると間髪入れず回答が返ってきた。裁判所の事実認定以前で「訴状内容が報じられている段階だ」と前置きした上で、この事件の焦点は①AIが妄想や誤った信念を否定せずに追認・強化する可能性②長期間の対話によって利用者がAIを強く信頼し依存するようになる可能性③精神的危機にある利用者を検知し専門家への相談などを促す安全対策の有無――を挙げた◆そのついでにメシアニズムの哲学的意義を聞いてみた。ChatGPT によるとメシアは「他者の可能性を増やす者」だという。また「AIは救世主ではないが救済の共同参加者となる」「逆に人間の思考を停止させるAIは反メシア的存在となる」と◆他人事の言いようだが教えられるところも多い。しかし、AIとの付き合い方は一筋縄ではゆかない。(津村恵史)








