常に30種の御朱印授与 神社や地元の文化に触れて
名古屋市千種区・城山八幡宮 私市靖権禰宜
名古屋市千種区の城山八幡宮(吉田玄宮司)では、御朱印ブームが始まる以前から多種多様な御朱印の授与に力を入れてきた。期間限定や色違いをはじめ、フクロウの図案や御城印、武将印など常に30種類ほどを用意する。私市靖・権禰宜は「一般の御朱印とは趣が違うと感じられる方もおられると思うが、核家族化で地域の歴史に触れる機会が少なくなっている中、一人でも多くの方に地元の文化に触れてほしい」と話した。
御朱印ブームは伊勢神宮と出雲大社の「ダブル遷宮」翌年の2014年頃から広がったとされる。一方、城山八幡宮では02年頃、市内の神社と連携して無料でスタンプを集める企画「恋の三社巡り」を始めた。当初はスタンプの申し出を通じてお札やお守りを受けてもらいたいとの狙いがあったが、若い人には敷居が高いと考え、御朱印の充実に力を注ぐようになった。
スタンダードな御朱印のほか、鎮守の杜にすむフクロウをモチーフにしたもの、縁結びの連理木にちなんだハートマークが入ったもの、花暦に合わせて2カ月置きに切り替わるものなどを授与する。
さらに鎮座地が織田信長の父・信秀の居城の末森城跡であることから「末森城」と中央に記した御城印や、信秀、信長、お市の方らの名前を記した武将印・姫印もある。最新のものはお市の方と鳥居を共にあしらった切り絵御朱印だ。
デザインは宮司、神職、巫女がアイデアを出し合って考案している。取り違えが起こらないよう、チェックを入れるだけの申し込み用紙も備える。
私市権禰宜は「既存の御朱印にとらわれず多方面から神社に興味を持ってもらえるように工夫している。後日改めて見た際にまた参拝に行って受けたいと思ってもらえるようなきれいなデザインを心掛けている」と話す。
御朱印の転売問題については「御朱印に限らず授与品の転売は感心しない。お札やお守りとは異なるものと考えているが、日付を書くことから神様に感謝やお願いを伝えた日を記録したものでもある。本来の意義から大きく外れる、転売された御朱印には何の意味もないように感じる。一方で特別な事情をお持ちの方には、賛否もあるが、遥拝のお気持ちでお受けいただくことで郵送対応もしている」と話した。
(武田智彦)







