良心的兵役拒否
〈コラム〉風鐸2026年9月25日 11時39分
ロシアの軍事的脅威を受け、リトアニア、スウェーデン、ラトビアなどで徴兵制を復活させる動きが広がっている。一方、世界には「良心」や「信教の自由」を根拠に、兵役を拒否する権利も存在する◆その権利を憲法に明記しているのがドイツだ。基本法第4条3項は「何人もその良心に反して、武器をもってする戦争の役務を強制されない」とあり「良心的兵役拒否」は基本的人権として保障されている。背景には、ナチス政権下で兵役を拒否したエホバの証人の信者らが迫害され、多くが犠牲となった歴史がある◆冷戦が終結し、国防費圧縮などのためドイツは2011年に徴兵制を停止した。しかしロシアのウクライナ侵攻を受け、26年1月から新たな兵役制度を導入。兵力確保に向けた動きを強めている。これに伴い、若者の兵役拒否も急増し、当局は26年上半期だけで5862件の申請を受理したという◆安全保障環境が厳しさを増す今、国家は個人の良心、信教の自由をどこまで保障すべきなのか。ドイツの葛藤は、世界に重い問いを投げかけている。(赤坂史人)







