冤罪と真実
〈コラム〉風鐸2026年10月21日 16時06分
冤罪が発生する要因は警察、検察、裁判官までもが犯罪者を突き止め摘発することにプライドとメンツをかける心理が働くからだと指摘されている。大衆も早期の犯人逮捕を望み、被疑者の検挙や逮捕を疑うことなく受け入れやすい◆取り調べの段階で警察や検察によって描かれたストーリーに沿って立件された場合に冤罪が発生する。裁判で逆転無罪を勝ち取るケースは極めてまれで、何十年も犯罪者の扱いを受けながら法廷闘争を強いられる事件が大きな社会問題となっている◆裁判員制度の導入に伴い再審請求の事例が増えているという。しかし冤罪が認められ、被疑者の無罪が社会的に確定したとしてもその間の個人の人生は取り戻すことができない。冤罪の問題が深刻なのは、犯人でない者が罪人扱いされる上に「真犯人」が世に潜み生き延びる不条理にある◆「事実」として確認されたことが必ずしも「真実の解明」とはならないのは、事実が「全き事実」であることを証明できないからだろう。「真実」は、おのれと神以外の者に容易に姿を見せてはくれない。(形山俊彦)





