核のゴミ最終処分場 未来の子孫の安全を(10月30日付)
原発の使用済み核燃料を最終処分するフィンランドの「オンカロ」に同国政府から操業許可が出た。地下400㍍、延長5㌔㍍の坑道から掘った竪穴の土中深くに最大6500㌧もの核のゴミを10万年後まで厳重保管するプロジェクトで、近く稼働して世界初の最終処分施設となる。
世界の原発で毎年8千㌧、累計30万㌧近くたまり続け、再処理をしてもなお残る超高濃度放射性廃棄物は、現実問題として少しでも安全な処分が不可避だ。
オンカロ(「隠された洞窟」の意)は、半減期が気の遠くなるような長さの危険物を、災害や戦争、環境破壊などの要因を考慮に入れ、まず90年後に厚いコンクリートで密閉して永年保管する計画。だが10万年といえば逆に過去に遡れば旧石器、まだネアンデルタール人の時代だ。そんなはるかな時を隔てた超未来の人類に「ここは危険」といかに伝えるのか。
国や政府はとっくに激変しているはずだし、数万年後の氷河期到来の予測もある中で文化や言語さえ継続性があるのかも分からない。標識や碑を建てても解読されるか不明だし、ピラミッドのように掘り返されるかもしれない。これは国際的に「オンカロのパラドックス」と呼ばれる。
ともあれ、フィンランドでは最終処分場計画を40年以上前、1983年から準備検討し、調査によって19億年地質変動がないバルト海のオルキルオト島が選定された。同島には原発も立地しているが、地元行政は再三の住民説明会や刊行物による情報公開を重ね、議会で決定した。
翻って既に1万7千㌧の廃棄物がたまっている我が国はどうか。福島事故の被害が継続するにもかかわらず原発を推進する政府と電力業界は、最近ようやく最終処分場問題に具体的に着手したばかりだ。場所選定だけでなく、安全な処分方法も確立してはいない。
先般は、茨城県常陸大宮市の市長が政府の文献調査申し入れに受け入れを表明した。しかし、元自民党県議で当初から受諾に前向きな市長は「国策に協力する」姿勢を示しつつ、市民への説明会は行わなかった。
受け入れで最大20億円の交付金が支出され、次の調査段階に進めば額は膨れ上がる。市長は「市の発展のため」と話すが、核のゴミ自体が町の発展につながるはずはもちろんなく、〝目先の〟金とはるか未来まで続く危険性への不安をどう比較衡量したのか、子孫へ禍根を残さないのか疑問が湧く。
この問題には、原発や核関連施設が立地する福井県や北海道ほか各地の宗教者たちも大きな関心を寄せている。





