歴史の中の真宗 「教義教団」の展開…青木馨著
本2026年11月4日 09時53分
真宗史研究や地元の三河地方での真宗史顕彰事業などに尽力してきたことで知られる著者が自身の「終活」を念頭に約50年にわたって取り組んできた親鸞・初期真宗門流、存如・蓮如、教如に関する研究の論考をまとめた。
「親鸞と初期真宗」「蓮如の教団形成と教化」「教如の教団形成」の3部で構成され、新稿2篇を含む12篇とコラム2篇を収録している。このうち新稿論考の一つである第1部第3章「『親鸞伝絵』を読み直す――覚如の創意」は「これだけは最後に言っておきたいという思いの結実」だ。
本願寺の事実上の創始者として知られる覚如が作成した親鸞聖人の行状記『親鸞伝絵』について、同時代に活性化した時衆に対する覚如の嫌悪感や真宗の独自性に注目し「『伝絵』の親鸞像は『対時衆』という視点であらためて見直す必要性」を指摘。
伝絵はこれまで「覚如の作為を織り込みつつも親鸞行実の基本史料」とされてきたが、対時衆という観点からあらためて深く考察するとその史料性には危ういものがある、と定説に一石を投じている。
定価8800円、法藏館、電話075(343)5656。


