PR
購読試読
中外日報社ロゴ 中外日報社ロゴ
宗教と文化の専門新聞 創刊1897年
第23回「涙骨賞」を募集

見え隠れする兆候 危険への感度を鈍らせるな(10月21日付)

2026年10月23日 09時18分

「ブロークンウィンドウ(割れ窓)理論」は1980年代に注目され始め、90年代には実際の社会政策に応用された。車の窓ガラスを割られたままで放置したことで、3日後には車全体が滅茶苦茶にされたという実験を基にしている。この理論の妥当性には賛否両論があるが、小さな犯罪を見逃すのが通例になると、大きな犯罪が起こるようになるといった考えは、ある程度は支持されている。

「ハインリッヒの法則」は逆の方向からの警告で、主に労働災害において言われる。一つの重大事故の背後には29の軽微な事故があり、その背景には300の「ヒヤリ・ハット」が存在するという考えである。損害保険会社勤務のハインリッヒが1929年に発表した。今も重大事故が起こると、この法則に言及がなされる。

この二つは視点は異なるが、あまり好ましくない出来事を放置すると、積もり積もって悲惨な事態が生じるという警告として理解できる。現代の日本にも放置すべきでないことはあまたあるが、国が戦争に至る兆候が少しでも現れたら、鈍感であってはなるまい。

小泉進次郎防衛相は、7月に核政策について「タブーなき検討の必要性」を訴えた。これまで堅持されてきた「非核三原則」の見直しの示唆と受け止める人もいる。

第2次世界大戦後の日本では「二度と戦争をしてはならない」「核の悲劇を繰り返してはならない」は、多くの国民の強い願いであったはずである。2024年には日本被団協がノーベル平和賞を受賞した。日本に非核の立場を堅持し世界の非核化を目指す動きがあることは、国際的には高く評価されている証拠である。だが日本の政治の動きはどうか。

少しずつ状況が悪化するのに気付かないと致命的な事態になることに「ゆでガエルの喩え」がよく使われる。カエルをいきなり熱湯に入れると驚いて逃げ出すが、水に入れて少しずつ水温を上げていくと逃げ出さず、死んでしまうという話である。科学的には否定されており、カエルは少しの水温の変化にも反応するという。ただ寓話的には時々使われている。

仮にそのようなのんびりとしたカエルがいたとして、現在の日本の状況を静観している人は、それを笑えるであろうか。今はもはや戦前であるという人もいる。次の戦争の兆しを感じた人の発言と言える。そこまでの事態ではないとしても、いくつかあしき兆候が見え隠れするのは事実である。

冒頭で紹介した理論と法則は、いずれも実際に起こったことを踏まえている。あしき事態への兆しへの感覚が鈍ることだけは避けねばなるまい。

講の再興 寺院活性化の手掛かりに(10月16日付)10月21日

宗派により、法座や座談会など表現の違いがあるが、檀信徒が教えを語り合う場を設けている寺院がある。活発なところはそれが講組織という形を取っている。かつて一定規模の寺院には、…

「緑のポスト」 宗教者による悲嘆ケア(10月14日付)10月16日

亡き人への手紙を受け付ける「緑のポスト」が京都府舞鶴市の真言宗醍醐派大聖寺に設置されたのは2019年。今では年間千通近くが全国から寄せられ、この秋彼岸にも焚き上げ供養され…

AIリスクの回避 国境越えた叡智の結集を(10月9日付)10月14日

最近「強国」という言葉が気になり始めた。発言者にとって他の国々に対する優越的立場を強調するとしたら、あまり心穏やかではない。その言葉が仏教者によって語られるのならなおさら…

北陸の真宗寺院に伝わる太子信仰の様態を示す井波別院瑞泉寺の諸伽藍=南砺市教育委員会提供

寺社4件、国の重文へ 富山・大谷派井波別院本堂など 宮崎・願心寺、県内寺院初 建仁寺法堂も

ニュース10月23日

露・ウ大統領と電話会談 教皇、人道危機解決訴え

ニュース10月23日

三𠮷新内局スタート 坂本氏ら4人初入局 曹洞宗

ニュース10月23日
「墨跡付き仏像カレンダー」の製造販売は2025年版をもって終了いたしました。
長らくご愛顧を賜りありがとうございました。(2025.10.1)
中外日報社Twitter 中外日報社Facebook
このエントリーをはてなブックマークに追加