陀羅尼を読む 大悲呪から楞厳呪まで…小野卓也著
本2026年8月19日 09時22分
多くの宗派で日常的に読誦されている「陀羅尼」。サンスクリット語を音写した経典であり、古くから一語一句の意味を追うよりも、読誦すること自体の意義が強調されてきた。本書はそうした陀羅尼の成立や背景、言葉に込められた祈りを丁寧に解説し、仏の世界への理解を深める一冊だ。
陀羅尼全般の概説を示した上で、般若心経や法華経に説かれる陀羅尼、大悲心陀羅尼や首楞厳陀羅尼など、主に禅宗で読誦される陀羅尼を幅広く取り上げる。さらに、修行道場を清浄にするために唱えられる陀羅尼なども紹介し、それぞれの成立史や意味、読誦の功徳について、専門的な内容を平易な言葉で解説している。
また、現代に伝承される陀羅尼の読み方について、原語の発音を踏まえた復元も試みた。本来の意味や響きを理解することで、諸仏諸菩薩への信心を深め、感応を増す契機としてほしいとの願いが込められている。
さらに、大悲心陀羅尼や甘露門の陀羅尼、般若心経などは、悉曇文字、梵文のローマナイズ、漢文、現代日本語訳を併記した対照テキストも収録している。
定価3960円、佼成出版社、電話03(5385)2323。



