ガウディと遷宮
〈コラム〉風鐸2026年7月22日 14時19分
「自然こそ最も偉大な教師である」とは、スペインの建築家アントニ・ガウディが残した言葉だ。彼の没後100年を迎えた今年6月、バルセロナのサグラダ・ファミリア(聖家族教会)の主要部分が完成した◆ガウディの作品には木や波、蜂の巣など自然の造形が随所に取り入れられている。人間は自然を征服する存在ではなく、その一部だという思想が現れている。彼は建築を自らの一代で終わらせるのではなく、世代を超えて受け継がれていく営みと考えていた◆日本にも20年に1度、社殿を建て替える式年遷宮がある。材木を計画的に育て伐採する循環が知られているが、目的は建物を新しくすることだけではない。建築技術や祭礼、信仰を次の世代に継承していくことにも意味がある◆世代を超えて建築が受け継がれ、信仰の対象となっていること、そして自然との共生を重んじること。彼の建築と式年遷宮には、こうした共通する思想が見て取れる。日本人がガウディの作品に深い親しみを感じるのはこのような価値観に通じるものがあるからではないだろうか。(赤坂史人)








