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宗教と文化の専門新聞 創刊1897年
中外日報社「宗教文化講座」

“見えない力”紡ぐ寺院 ― 宗教者100人アンケート(1/2ページ)

ファイナンシャル・プランナー 勝桂子氏

2014年12月17日
すぐれ・けいこ氏=行政書士、葬祭カウンセラー。『いいお坊さん ひどいお坊さん』(2011年、ベスト新書)の著者として、各地の僧侶研修・一般信徒向け講演に登壇。曹洞宗「現代にふさわしい教団の理念、教団のあり方に関する分科会」委員。生きづらさと向きあう任意団体〈ひとなみ〉を主宰し、宗教者や医師、士業者、葬送分野の専門家らと座談会を随時開催。

この年末で、アベノミクスによる“脱・デフレ政策”が丸2年を迎える。株価は上昇し、円安で輸出産業は好況となった。だが大局的にみれば、わが国の状況はまだ、決して良好とはいえない。米国の格付け会社は、わが国の財政赤字対策が甘いと判断し、日本国債の評価を格下げした。

ファイナンシャル・プランナーの観点で過去2年間を検証すれば、“新たな価値を生み出していないにもかかわらず、政府の介入によって、流通する貨幣だけが増えている”ともいえる。

実質を伴わない好景気気分が走った2年が過ぎ、「日本はデフレを終息させることが難しい」と格付け会社から釘を刺された今だからこそ、ほんとうに価値あることを生み出せるための国力・地力を示すべきだ。そのために、地域の核として、寺院が活躍する好機がやってきたと思っている。

寺院は、補修費や増改築費用など大きな資金を蓄え動かさざるをえないから、株価の上昇に目がいきがちかもしれない。しかし私は、宗教の真の使命を、目先の数値や情報で表現されない「見えない力をダイナミックに動かす」ところにあると信じている。そして寺側の意識も、被災地支援や急増するこころの病への対応等を通し、ここ数年で着実に培われてきている。

去る11月26日に発売された月刊『一個人』(KKベストセラーズ)で、「名僧100人に尋ねよ こころ愉しく生きるヒント」という宗教特集を組むというので、編集協力させていただいた。そのなかで、「宗教者100人に訊きました! 私が実践するこころの癒し方 聖職者たちが本当に救われた、救った瞬間」と題したアンケートを実施した。このアンケート結果をまとめてみて、真のデフレ脱却を達成させるため、宗教者の力こそ必須であることを改めて肌で感じたので、この場でご報告したい。

個人的につながりのある宗教者100人強へのメール配信と、ブログやフェイスブックでの配信、加えてBBA!!(ボーズ・ビー・アンビシャス!!)のメーリングリストでも告知していただくことができ、予定の100件を満たす回答数を得ることができた。

選択肢でお答えいただく部分のほか、自由コメントの記入も多い内容だったので、回答には時間もかかったと思う。にもかかわらず、配信数のおよそ7割という高い回収率を実現。「地域や社会のために何かしたい」という宗教者の強い熱意が感じられた。

回答内訳は、仏教僧侶95%(天台・真言宗系28%、浄土・日蓮宗系42%、禅宗系25%)、神職2%、キリスト教3%。

アンケート前半では、「見えない超越的なものの力を感じた瞬間は?」「癒し目的でパワースポットを訪れることがありますか?」といった、一般目線の素朴な疑問を投げかけた。この部分では、天台・真言や浄土系各派で「はい」が「いいえ」の倍近くあったのに比べ、極楽浄土にあまり固執しない禅宗では、「はい」と「いいえ」がほぼ同数であったのが印象的だった。また、「パワースポットを訪れたことはあるが、癒し目的ではない」「癒し、という言葉に違和感を感じます」など、「癒されたい」を前面に打ち出す編集サイド(あるいは一般人)の感覚とは異なる、宗教者ならではの観点がリアルに伝わるお答えもあった。

続いて、日常的な悩みや憤りをどのような方法で鎮めていらっしゃるのかをお訊きした。これは、本特集後半で、読経や写経、坐禅に家庭で取り組むための手ほどきをしているので、宗教者ご自身も、日常的に行を実践することで心の安寧を得ていらっしゃることを確認する意図での質問だった。

回答は、宗教的な行や、仲間の僧侶に相談という答えが大半を占めたが、なかには、「愚問」というお答えも複数あった(僧侶は立腹しないという意)。

一方で、同じく「どうしても赦せない、ということには巡り会わない」と答えながら、その理由を懇切丁寧に説明し、宗教のありがたさ、意義をわかりやすく説いたコメントもいただいた。

「仏教と出会うと、生きづらさを感じて立ち止まったことも、決して終焉ではないことに気づかせてもらえます。つまずいてこそ出会う、失ってこそ得る、という新たな視点と、ぜひ出会ってください」

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