東洋学術研究 第62巻第2号…東洋哲学研究所編
『東洋学術研究』第62巻第1号に引き続き特集「平和への闘争」第2弾を掲載する。ウクライナや中東での紛争が長期化する中、多様化する地球的課題に対して人類はどう向き合うべきかを、国際法、歴史、宗教、福祉等の観点から考察する論文や講演録を収録する。
巻頭を飾るのはニーラカンタ・ラダクリシュナン(ガンジー研究評議会議長)の特別寄稿「公正な不戦世界を目指して―ガンジーにみる非暴力と不殺生のグローバルな変革」。ガンジーを信奉するダライ・ラマ、非暴力を第一線で指導してきた池田大作らの言行を紹介し、非暴力の見地に立って「自己の勝利のために相手を負かすと考えるのではなく、双方が成長できる方法があるはずだといま考えてみることである」と訴える。
「地球を守り平和的共生をめざす―人新世はなぜ重要か」サティッシュ・M・クマール(東洋哲学研究所海外研究員)、「人類文明と覇権主義―世界を見つめ歴史を綴る」服部英二(元ユネスコ事務局長顧問)ほか、第37回学術大会シンポジウムから「国際公共財としての国際法と宗教―ロシアのウクライナ侵略への諸国家の対応とビーグル海峡危機におけるローマ教皇庁の仲介をめぐって」等を収録する。
定価1400円、東洋哲学研究所(電話042・691・6591)刊。