「元の理」と人類の歩み 人間はいかに生きるべきか…橋本武人著
天理教が人類創造の初めから現在までの歴史をどのように捉え、危機的な状況から救われる道をどう示しているのかを知る上で、本書は天理教を知らない者にも理解しやすい入門書と言える。天理大学長を経て教団本部員に登用された著者が、婦人会の勉強会で話した内容をまとめたもので、文明史や思想・哲学に及ぶ視座からの分析を加えた教義解説は、現代世界への新しい認識とメッセージを与える啓発的な一冊となっている。
「元の理」とは根本の真理という意味で、天理教の教祖・中山みきが「親神様=天理王命」からの啓示を受けて書き留めた「おふでさき」「みかぐらうた」「おさしづ」を原典として編纂された『天理教教典』の第3章にある「奥義」と言うべきもの。そこには、この世の始まりが「どろ海であった」こと、そこに人間が創造され、海山・天地・日月が区別され、人間は陸上の生活をするようになったことなどが明かされている。
著者は全6章と補章、終章の中で「元の理」に示された天地の始まりから人類史の古代・中世・近現代の意味、さらに現代社会の病理、人間中心主義と文明の進展に伴う危機的状況を描き「親神様」が明かした人間世界創造のグランドプランとしての「陽気ぐらし」の意味を説き示す。
定価1540円、天理教道友社(電話0743・62・5388)刊。




