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宗教と文化の専門新聞 創刊1897年
中外日報社「宗教文化講座」

大理崇聖寺フォーラムに参加して(1/2ページ)

臨済宗妙心寺派平田寺先住職・常葉学園大名誉教授 竹中智泰氏

2018年1月19日
たけなか・ちたい氏=1945年、静岡県生まれ。京都大大学院文学研究科(インド哲学)博士課程修了。常葉学園大名誉教授、臨済宗妙心寺派平田寺先住職、同派布教師。日本印度学仏教学会賞受賞(84年)。著書に『禅宗の陀羅尼』(共著、大東出版社)、『岩波講座・東洋思想』第7巻「インド思想」(共著、岩波書店)、『仏教名言辞典』(共著、東京書籍)、『異文化コミュニケーション事典』(共著、春風社)他。

昨年9月22日より24日まで、妙心寺山内霊雲院ご住職則竹秀南老大師の名代として中国・大理崇聖寺のフォーラムに参加した。老大師から電話を頂き、「雲南省」の響きに誘われて軽い気持ちで承諾してしまったのだが、蓋を開けてみたら責任重大なフォーラム参加だった。開催地は「大理石」の名称の由来となった雲南省大理。文字通り風光明媚なところで、4千メートル近い蒼山が聳え、周囲を連山に囲まれて洱海が横たわっている。かつて数度訪問した中国では味わえなかった青空が秋の空気を吐き出している……。

「二〇一七崇聖寺フォーラム」と銘打ったこのフォーラムは、雲南省仏教協会、東南アジア・東アジア仏教文化交流センター、ならびに崇聖寺の共同主催。参加国は全世界から26カ国、全参加者は仏教者・学者他を合わせて約300人、研究発表者約100人という壮大な規模で催された。

22日、大理空港に到着すると、そのまま空港のVIPルームに案内され、フリーパスで専用車に乗り込みフォーラム会場の大理国際ホテルに直行。そこで崇聖寺住持の崇化法師と会見し、ご挨拶(会見)と記念品(土産)の交換。会見の順番は私が第一番であった。日本人僧侶が私一人だったこともあり、フォーラム中大変丁重なもてなしを受け恐縮するばかりであったが、すべて「中日友好使者」の称号(日本の仏教界では4人のみ)を持つ則竹老大師のご威光によるものである。日中友好に尽力されてきた老大師のご功績に改めて頭の下がる思いがした次第である。

フォーラム開幕式と研究発表

23日午前中には、小雨の中、フォーラムの開幕式が崇聖寺大雄宝殿前の大広場で行われた。崇聖寺は蒼山を背にし、洱海を望む小高いところにある。七堂伽藍の整った荘厳なたたずまいは穏やかながら、威風堂々とした趣。

住持崇化法師の挨拶に始まり、中国国歌、来賓の挨拶のあと、南方仏教(テーラヴァーダ)系僧侶、チベット仏教系僧侶、中国(漢)仏教系僧侶に分かれてそれぞれの仕方で世界平和祈祷法会が執り行われた。参列者は檀信徒を入れて数百人に及んだ。

同日午後はホテルに戻り、研究発表に先立ってこのフォーラムの趣旨説明等があり、その後翌日午後まで各分科会に分かれて研究発表が行われた。このフォーラムの主題テーマは「一帯一路を繋ぐ心と絆」、サブテーマは以下の三つである。(一)グローバル化での仏教と仏教研究(二)シルクロードと仏教について(三)人間仏教と調和のとれた社会について。

私はこのうちから(二)を選び、「シルクロードが日本にもたらしたもの~般若心経の宗教的文化的意義」と題して発表した。趣旨だけ述べれば、①日本(奈良)がシルクロードの最終着点であること②般若心経の最も古いサンスクリット写本は日本(法隆寺、現在は東京国立博物館)にあること③日本で般若心経が好まれた理由は潤色付加された「度一切苦厄」にあること④般若心経の最重要語は「心無罣礙」であること⑤般若心経をはじめとして「空」の思想ならびにその実践が日本の文化や芸道に影響を与えた事例――などについての論究である。そのうち特に②は聴衆には新知見であったようで、発表後何人かの研究者から質問を受けた。

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