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急増した海外観光客 日本の宗教文化理解を促す(5月29日付)

2024年5月31日 10時01分

コロナ禍が終息し、落ち込んでいた外国人の入国者数が急増している。出入国在留管理庁の統計によれば、2019年に年間3600万人余いた入国者数は20年には500万人余に急減し、21年には70万人余にまで落ち込んだ。

それがコロナの恐怖から解放された23年には、前年の6倍近くの2700万人余に増えた。ほどなく旧に復するのは間違いない。これで経済は全体として活況を迎えた。だが、急速な外国人観光客の増加は、各地でオーバーツーリズムの問題を再燃させている。

受け入れ側の準備が整わず、また一部の外国人側のマナーの悪さが加わると、場合によっては、かなり深刻な問題になる。外国人観光客の受け入れ制限をすべきだとの意見まで生じてきている。

神社仏閣の多い京都や鎌倉などの観光地でも、オーバーツーリズムへの対処が迫られている。宗教界だけで対応できる事柄ではないが、少し積極的な視点から考えてみてはどうだろうか。それはコロナ禍以前から課題になっていたことであるが、外国人に日本の宗教文化を理解してもらうための良い機会と捉えることである。

神社仏閣によっては、参拝の作法、禁止事項などを、英語だけでなく中国語や韓国語など多言語で表記しているところもある。多言語で注意書きを表示するのは、基本的な対処法である。しかも宗派や教団単位で対応できる。必要な注意を多言語に翻訳したものをまとめて作成可能である。

これに加え、もっと積極的な方法を模索できる時代になった。いまや自分の宗派・教派あるいは教団を外国語で解説する動画作成も手軽にできる。QRコードを介して、その動画をその場で見てもらえるようにすることもできる。

ただこれは意外に難しい点も含む。それぞれの立場から自分たちの宗教を説明するにしても、相手の宗教文化もある程度は考慮する必要が生じてくるからである。世界の主な宗教についての基礎知識はどうしても欠かせない。

外国人観光客に求める一般的なマナーは、宗教施設と他の施設とで大きな違いはない。しかし、日本の宗教は一般にそれほど厳しい戒律はないにしても、各宗教が大事にしていることはある。それをより的確に伝える上で、外国人が多く訪れる宗教施設は独自の役割を果たせる。通常は短時間しか滞在しない観光客に何を伝えられるか。これはなかなか奥が深い問題である。将来的にますます外国人観光客が増える可能性があるので、いろいろ試行錯誤を始めるのは、早ければ早いほどいい。

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