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日本で約20年暮らすウクライナ人歌手・作家 エバ・ハダシさん(47)

ほっとインタビュー2022年11月8日 13時21分
日本で約20年暮らすウクライナ人歌手・作家 エバ・ハダシさん エバ・ハダシさん=本名は須田エフゲーニヤ。1975年、ウクライナの首都キーウ(91年まではソ連領)で生まれる。少女時代に父に連れられてフィンランドを訪れたのがきっかけで海外の言語や文化に興味を持つようになる。国内で専門家が少なかった日本に着目し、キーウ国立大で日本語や日本の文学を学んだ。留学先の米国バークリー音楽大で後に結婚する日本人と出会い、2003年に来日。2児の母となる。17年には自伝小説「ウェスタン芸者」を発表。歌手や通訳としても活動する。

ウクライナ出身の歌手・作家で、約20年間日本で暮らす。大阪府八尾市のコミュニティーラジオFMちゃおで今年7月から放送中の30分番組「ウクライナのアイデンティティ」のパーソナリティーを務め、ロシア軍の侵攻を受ける母国からの避難者に有益な情報を提供している。敬虔なキリスト教の正教徒でもあり、どんな困難にあっても祈りを欠かさず、教えに沿った言動を取る大切さを訴える。

岩本浩太郎

今年2月24日に始まったロシア軍のウクライナ侵攻は世界中に衝撃を与えました。半年が過ぎても終わりが見えません。

エバ 今もまだショックです。全世界はロシアを止めることができませんでした。テレビやインターネットを通じて、世界中が戦争の惨劇を知っているにもかかわらず、それでもロシア軍が遠慮なく続けていることに大きなショックを感じています。

さらに残念なことは戦争に直面したウクライナ人の中には武器や爆弾のことばかり考えるようになり、お祈りを忘れてしまっているケースが見受けられることです。

ウクライナは人口の約9割が正教徒とされ、世界でも有数の正教徒の多い国です。戦場では武器を持って戦うと同時にお祈りもしないといけません。たとえ平和になったとしても神様を忘れてしまう生活を進めるのであれば、それは何のための平和なのでしょうか。

例えば、プーチン(大統領)に対してでさえも汚い言葉を吐くことは許されません。常に自らの言動をフィルターアウト(浄化)しないといけません。神様を忘れて罪を重ねる民族になってしまってはいけません。

大変厳しい戒めです。実際に危険が迫ったとき、人間はどうしても弱さを露呈するものではないでしょうか。

エバ もちろん、目の前で起きた戦争にはやはり戦うしかない。しかし、考えや行動は正教の教えに近づける努力が必要です。

私たちの魂は神様の一部であり、どんな困難にあっても、その魂の成長を忘れてはいけません。聖書には敵を愛するとまで書かれています。戦争はとても大きな誘惑ですが、その誘惑に負けずに持ちこたえてほしい。それぞれの立場で戦うとしても自分のモットー、魂の大切さを見失わないでほしいのです。

お祈りは戦場でもできる。「主よ、憐れみたまえ」。これは正教徒の最も簡単な祈りの言葉です。これだけでも唱えることが大切です。…

つづきは2022年10月12日号をご覧ください

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