如来は歴史の場ではたらく 桜井鎔俊和上法語集…桜井俊彦編
桜井鎔俊氏(1900~89)は石川県中能登町の浄土真宗本願寺派明泉寺出身。七里恒順の高弟である村田静照を信仰の師、大谷光瑞を学問の師と仰ぐ一方、同郷の鈴木大拙や西田幾多郎の思想にも学びながら東京都豊島区で葬儀を一切行わない念仏実践道場「真々園」を主宰した。本書は1948~89年に真々園の各種広報誌に掲載された桜井氏の法語76編を収録している。
「酒を飲めば酔うと知らなければ酔えないということはない。飲めば誰でも酔っぱらいます。どうのこうのと理屈をこねるよりも、まずお念仏申す。それが仏道入門第一科」「まねの念仏でも、お念仏しているうちにだんだんとありがたくなります。仏法はまねから入る」など称名の重要性を説く言葉や、巧みな譬喩・例話を用いた法義の解説の数々には寸鉄人を刺すような独特の趣がある。
これらは全国からの求道者を前に「一時間あまり念仏を称えたあとに、ぽつりぽつりと語られたもの」で、編者は「録音禁止。頭脳的理解でなく体解してください」等の道場清規を掲げた桜井氏の姿勢から氏の「日出て闇破るご法語」の活字化にはためらいもあったとしつつ「お念仏を称えながら読んでいただければ桜井和上の本望と思われます」としている。
定価1980円、方丈堂出版(電話075・572・7508)刊。






