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旧統一教会 解散命令確定 新たに見えた問題群

北海道大教授 櫻井義秀氏

時事評論2026年8月19日 09時18分

6月22日、最高裁第三小法廷は旧統一教会(世界平和統一家庭連合)の特別抗告を棄却した。これで解散命令が確定した。

教団は、今年3月4日の東京高裁による解散命令の決定を、憲法20条1項「信教の自由は、何人に対してもこれを保障する」、21条1項「集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する」に違反すると主張していた。

判決では、東京高裁の判決をふまえ、教団は1973年から2022年まで「不法行為に該当する献金の勧誘行為を継続的に行うなどし、多数のものに極めて多額に上る財産的または精神的損害を与えた……法令に違反して、著しく公共の福祉を害すると明らかに認められる行為をした」と認定した。そのうえで、教団はこれまでも違法な勧誘・献金強要を防止する措置を取っておらず、献金目標・手段を変えない以上、法人を解散させる以外にやめさせる手段はないと判断を示した。

なお、この判決は法人格を剥奪したことに留まり、任意団体として教団は存続可能であることから、信者の信教の自由を剥奪したという主張にはあたらないと述べた。教団は、関連団体の一般財団法人「孝情教育文化財団」を信者達の受け皿にする予定と報道されている。

26年3月の高裁判決によって清算手続きが進められた時点において、教団は職員数約1400人を雇用し、06年から22年までは年間約500億円の献金予算を定め、80~90%の決算額を確保していた(高裁判決資料)。信者数は名簿登載者で約10万人、コアな信者は2万人程度と推測される。そうすると、一人あたり年間250万円を献金しなければならず、これは教団職員の手取額年収相当とも考えられる。となれば、山上徹也の母親のように1億円の高額献金をしてくれるような信者抜きでは、教団の財政が成り立たなかったわけである。

21年に韓国などへの海外送金額が179億円であったことから分かるように、教団によるかつての霊感商法と信者に対する高額献金は、韓国本部から要求されたものだった。そのうえ、信者数に比して多すぎる教団職員(創価学会は公称827万世帯でも職員約2500人)の存在と、この教団による政界工作の諸経費(要人を招いたイベント開催や選挙協力)、及び多数の関連団体の運営経費などからして、身の丈を超えた資金調達法になったのである。

さて、いよいよ清算手続きによって教団残余資産約1040億円は、債権者に配分されることになった。しかし、被害者が献金事実と金額を自ら立証するハードルは高い。教団が領収書を発行しなかったからである。さらに、二世信者が、親が多額の献金のために教育資金や老後資金を欠き、進学機会を得られなかった子どもたちが親の老後扶養を負う現実をどう被害として算定できるのか。

私が統一教会研究に着手して約37年。教団に解散命令が下る日が来るとは。定年退職の年にようやく歴史が動くことを確認できた。そして、新たな問題群が見通せるようにもなった。

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