PR
購読試読
中外日報社ロゴ 中外日報社ロゴ
宗教と文化の専門新聞 創刊1897年
中外日報社「宗教文化講座」

イランの民族楽器サントゥールを演奏する 谷正人氏(54)

ほっとインタビュー2026年2月24日 10時25分
イランの民族楽器サントゥールを演奏する 谷正人氏 たに・まさと氏=1971年、大阪府生まれ。サントゥール奏者、イラン音楽研究者、神戸大国際人間科学部教授。98年、イラン国立芸術大音楽学部卒業。同年に第1回イラン学生音楽コンクールサントゥール独奏部門奨励賞受賞。著書に『イラン音楽 声の文化と即興』『イラン伝統音楽の即興演奏 声・楽器・身体・旋法体系をめぐる相互作用』など。

イランの民族楽器サントゥールを現地で学び、演奏活動と音楽学の研究を両輪で進める。サントゥールは、台形の木材(共鳴胴)に張られた72本の弦を打つ打弦楽器。先端をフェルトなどで巻いた細いバチを両手に持ち、弦をたたいて音を奏でる。師から直接学び、体で覚えて演奏するサントゥールを通じて、イラン文化の歴史と精神性を伝える。

磯部五月

サントゥールとの出合いは。

谷 大阪音楽大在学中にイラン音楽と出合い、2年の終わり(1993年2月)に、初めてイランに行きました。民族音楽をしていると「あやしく」見られることもありましたが、私はサントゥールを究め、現地で大学を卒業したいと計画しました。

日本からは79年のイラン革命以前に渡った研究者はいましたが、90年代初頭のイランはイラン・イラク戦争の後で日本人留学生の数も多くありませんでした。大使館も留学手続きは分からない状態で、煩雑でしたがなんとか準備を整えました。

当時はインターネットもなく先入観を持たずに飛び込みました。言葉も分からない中で、誤植も多い紙の辞書を引きつつ、身振り手振りで乗り切りました。ホームステイ先の家族はとても親切でした。入学試験に向け、テヘラン大の語学学校で1年間、ペルシャ語を学びました。それ以外の時間はプロ野球のキャンプだと思って楽器のレッスンに明け暮れました。

イランはどんな国ですか。

谷 昨年末から混乱が続いており、イランへの渡航がかないませんが、文化的にはとても豊かな国です。イスラム以前の歴史的な厚みもあり、様々な背景を持つ人々がいます。

詩を朗唱する文化があります。サントゥールは歌と一緒に演奏されることも多いため、ペルシャの古典詩の世界観はもとより、その韻律が音楽のリズムにも影響を与えています。

イランの人たちは、人なつっこくてホスピタリティー豊かです。日本での報道とは違う印象を抱かれると思います。礼儀正しく、日本にはない社交辞令もあります。先生が教室に来られたら皆が立ち上がって迎え、先生から「どうぞ」と声が掛かってから座る。タクシーや街の商店であっても金銭のやりとりを一度は断ります。金銭を当然の対価として受け取ることは、卑しい振る舞いと考えるのです。

気候は日本より乾燥していて四季があり、果物もいろんな種類があります。皮の薄い、甘レモンも冬の味覚です。輸送すると味が変わってしまうそうで、イラ…

つづきは2026年2月13日号をご覧ください

多数の戦争を目にした元NHKヨーロッパ総局長 髙尾潤氏

多数の戦争を目にした元NHKヨーロッパ総局長 髙尾潤氏

9月17日

取材者として長年世界を見てきた中で、国家と宗教が結び付き、戦争や対立が正当化される場面を多く目にしてきたという。とりわけロシアではロシア正教会がウクライナ侵攻を積極的に支…

「地震工学」の生みの親 土岐憲三氏

「地震工学」の生みの親 土岐憲三氏

8月27日

最大震度7の熊本地震が7月28日に発生し、大きな被害が広がった。各地で地震が頻発する中、南海トラフ地震など巨大地震への備えが改めて問われている。地震災害の専門家として京都…

親鸞の和讃を歌う作曲家 平田聖子氏

親鸞の和讃を歌う作曲家 平田聖子氏

7月23日

親鸞聖人の和讃を歌詞とする作曲で知られ、プロや真宗各派の合唱愛好家と和讃を歌うコンサートシリーズ「親鸞が音楽で現代に甦る。」は17日の名古屋公演で節目の第10回を迎える。…

「公共」という視点 固有の「善」を認め合う社会(10月2日付)

社説10月7日

『釜ケ崎と福音』 支えられる側にこそ力が(9月30日付)

社説10月2日

異文化伝統との共存 外国人労働者問題への視点(9月25日付)

社説9月30日
「墨跡付き仏像カレンダー」の製造販売は2025年版をもって終了いたしました。
長らくご愛顧を賜りありがとうございました。(2025.10.1)
中外日報社Twitter 中外日報社Facebook
このエントリーをはてなブックマークに追加