承香殿の女御 復原された源氏物語の世界…角田文衞著
本2025年10月21日 09時31分

どんな人生にも波乱や風雪に見舞われる時がある。900年も昔の平安時代にもまた、源氏物語に描かれた一条天皇の内裏の有り様のように、栄華の頂点にあるかのような王侯貴族の生活を支配する運命があった。
本書が描くのは、一条天皇の後宮に入り「承香殿の女御」と呼ばれた藤原元子の生涯である。元子は、左大臣藤原朝臣顕光と盛子内親王との間に生まれた一男二女の長女。髪は丈をなすほどあり、手入れも行き届いていたから、当時の美の条件を満たした輝くばかりの容貌だっただろうと著者は想像している。(全文は2025年10月10日号をご覧ください。中外日報購読申し込み)
定価1210円、法藏館(電話075・343・0458)刊。