法華仏教研究 第39号…法華仏教研究会編
日蓮研究の深化と日蓮教団の発展を願い、所属宗派や僧俗の枠を超えて自由に論考を発表できる場を設けるため創刊され、第39号を数えた。巻頭論文は、花野充道・法華仏教研究会代表の「日蓮はいつから五義判を説き始めたか-山上弘道著『日蓮遺文解題集成』の問題点-」。80㌻を超す力作で、思想史学の立場から「五義」思想の成立と展開を論じる。
五義は複数の日蓮遺文で論及されており、筆者は伊豆流罪を機に執筆された『教機時国鈔』から説かれ出したと主張。同鈔が日蓮の撰述か真偽未決とする山上氏に対し、論点ごとに詳細に反論し真蹟であると結論付ける。
見解の相違が生じる理由に、依拠する遺文の違いが挙げられる。立正大の研究者を中心に、真蹟であることが確実な遺文だけを用いる方法がとられているが、花野氏は「文献考証を棚上げして、真実を探求する思想史研究はできない」と強調。仮説を立て合い論争することの重要性を説き、立正大の研究者に仮説を出すよう呼び掛ける。
江間浩人氏「日蓮の伊豆流罪の経緯と罪状」、同「『船守弥三郎許御書』と釈迦立像」、佐古弘純氏「江間浩人氏の反論に対する返答」、澁澤光紀氏「鎌田東二著『日本人の死生観』Ⅰ・Ⅱを読む」などを収録する。
頒布価格2500円、法華仏教研究会(メール
)刊。





