PR
購読試読
中外日報社ロゴ 中外日報社ロゴ
宗教と文化の専門新聞 創刊1897年
中外日報社「宗教文化講座」

トランプのアメリカ 変化する政教関係への危惧(5月1日付)

2026年5月8日 09時21分

アメリカのワシントンD.C.で4月25日までの1週間、アメリカ聖書朗読会(The America Reads the Bible event)が行われた。アメリカ建国250周年をテーマにしたイベントの一環であるという。トランプ大統領も、1週間かけて聖書全体を順次朗読する数百人の参加者の1人だった。

米のメディアによれば、トランプ大統領は現地時間の19日、ホワイトハウスの執務室で旧約聖書「歴代誌下第7章」を朗読した。その内容が話題になっている。

ソロモン王の神殿建設の部分で、神がソロモンに現れ、「もしわたしの名をもって呼ばれているわたしの民が、ひざまずいて祈り、わたしの顔を求め、悪の道を捨てて立ち帰るなら、わたしは天から耳を傾け、罪を赦し……(14節 新共同訳)」と約束する。

これをトランプ大統領が朗読したのは象徴的だ。AP通信(オンライン、22日)は「アメリカはキリスト教国として建国された」という「議論の余地のある信念」と結び付けられることが多い一節だと指摘する。

また「このイベントの参加者リスト(注・ヘグセス国防長官、ルビオ国務長官や共和党有力議員らが含まれる)は極めて党派的であり、アメリカ建国250周年をキリスト教ナショナリズムのビジョンと結び付ける大規模なプロジェクトの一環である」と指摘する批評家の意見も引用している。

トランプ政権にはヘグセス国防長官やカトリックに改宗したバンス副大統領のような宗教的信念や信仰の持ち主もいるが、トランプ大統領自身は国民の多くから、宗教心のあつい人物とは見られていない。もはや日本も無関係とは言えない、このような政治・宗教イベントをどう考えるべきなのか。

BBC(オンライン、20日)は、このニュースを報じる中で教皇レオ14世の「宗教と神の名そのものを、自らの軍事的、経済的、政治的利益のために悪用し、神聖なものを闇と汚物に引きずり込む者たちに災いあれ」という言葉を引用している。

米国では(中国やロシアと同様に)非常に大きな問題をはらむ政教関係構築が進んでいるようだ。その過程で、国教樹立を禁じる合衆国憲法修正第1条の政教分離原則が揺らぎ始めている。トランプ氏が立ち上げた「宗教の自由委員会」の委員長が、「政教分離は噓だ」と言い出す始末である。

日本の敗戦に至る経緯を省みても政教分離原則は極めて重要だ。アメリカの危うい動きを警戒し、政教分離の現代的意義を日本人も真剣に考えるべき時が来ている。

「公共」という視点 固有の「善」を認め合う社会(10月2日付)10月7日

現代世界が直面する課題の一つに「民主主義の危機」がある。社会学者の大澤真幸氏は、多くの国で民主主義の理念とシステムが困難に直面し、民主主義への信頼が低下している背景に、資…

『釜ケ崎と福音』 支えられる側にこそ力が(9月30日付)10月2日

「神は貧しく小さくされた者と共に」の副題がある本田哲郎神父著『釜ケ崎と福音』は2006年の初版から改訂を重ねてなお、人を支援しようとする人々の座右の書として広く読み継がれ…

異文化伝統との共存 外国人労働者問題への視点(9月25日付)9月30日

北海道京極町の農業法人で「特定技能」の在留資格で働くミャンマー人労働者に対する暴力やハラスメント行為があったという訴えが最近報道された。外国人技能実習生に対する人権侵害行…

落慶法要が営まれた普門院(客殿)

普門院の修復落慶祝う 開山・聖一国師ゆかりの道場 耐震補強、建立当時の姿に 東福寺

ニュース10月13日
谷山教授と合掌礼を交わす生前葬の参加者

谷山教授が最終講義 がんで余命わずか、生前葬も 人間らしさの尊重を強調

ニュース10月13日
18年ぶりに開帳された両部大曼荼羅を拝観する地域の子どもたち

開創1200年祝し万灯会 両部大曼荼羅、18年ぶり御開帳も 西新井大師總持寺

ニュース10月13日
「墨跡付き仏像カレンダー」の製造販売は2025年版をもって終了いたしました。
長らくご愛顧を賜りありがとうございました。(2025.10.1)
中外日報社Twitter 中外日報社Facebook
このエントリーをはてなブックマークに追加