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トランプのアメリカ 変化する政教関係への危惧(5月1日付)

2026年5月8日 09時21分

アメリカのワシントンD.C.で4月25日までの1週間、アメリカ聖書朗読会(The America Reads the Bible event)が行われた。アメリカ建国250周年をテーマにしたイベントの一環であるという。トランプ大統領も、1週間かけて聖書全体を順次朗読する数百人の参加者の1人だった。

米のメディアによれば、トランプ大統領は現地時間の19日、ホワイトハウスの執務室で旧約聖書「歴代誌下第7章」を朗読した。その内容が話題になっている。

ソロモン王の神殿建設の部分で、神がソロモンに現れ、「もしわたしの名をもって呼ばれているわたしの民が、ひざまずいて祈り、わたしの顔を求め、悪の道を捨てて立ち帰るなら、わたしは天から耳を傾け、罪を赦し……(14節 新共同訳)」と約束する。

これをトランプ大統領が朗読したのは象徴的だ。AP通信(オンライン、22日)は「アメリカはキリスト教国として建国された」という「議論の余地のある信念」と結び付けられることが多い一節だと指摘する。

また「このイベントの参加者リスト(注・ヘグセス国防長官、ルビオ国務長官や共和党有力議員らが含まれる)は極めて党派的であり、アメリカ建国250周年をキリスト教ナショナリズムのビジョンと結び付ける大規模なプロジェクトの一環である」と指摘する批評家の意見も引用している。

トランプ政権にはヘグセス国防長官やカトリックに改宗したバンス副大統領のような宗教的信念や信仰の持ち主もいるが、トランプ大統領自身は国民の多くから、宗教心のあつい人物とは見られていない。もはや日本も無関係とは言えない、このような政治・宗教イベントをどう考えるべきなのか。

BBC(オンライン、20日)は、このニュースを報じる中で教皇レオ14世の「宗教と神の名そのものを、自らの軍事的、経済的、政治的利益のために悪用し、神聖なものを闇と汚物に引きずり込む者たちに災いあれ」という言葉を引用している。

米国では(中国やロシアと同様に)非常に大きな問題をはらむ政教関係構築が進んでいるようだ。その過程で、国教樹立を禁じる合衆国憲法修正第1条の政教分離原則が揺らぎ始めている。トランプ氏が立ち上げた「宗教の自由委員会」の委員長が、「政教分離は噓だ」と言い出す始末である。

日本の敗戦に至る経緯を省みても政教分離原則は極めて重要だ。アメリカの危うい動きを警戒し、政教分離の現代的意義を日本人も真剣に考えるべき時が来ている。

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