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寺でケーキ販売し30年 元講師の坊守、料理提供

大津市・真宗大谷派等正寺 石原信禎住職・佐知坊守

「お墓参りにプラスの楽しみができて、子どもの思い出にも残れば」と話す石原佐知坊守と「寺の4割がお店関係のもので占領されてしまった」と笑う信禎住職
「お墓参りにプラスの楽しみができて、子どもの思い出にも残れば」と話す石原佐知坊守と「寺の4割がお店関係のもので占領されてしまった」と笑う信禎住職

大津市の真宗大谷派等正寺はカフェ、レストランを併設し、多種多様な料理や菓子を30年以上販売して地域に親しまれている。石原佐知坊守は「子どもたちに『お墓参りの後のカレーが楽しみ』といった寺での思い出を持ってもらえれば」と話し、信禎住職は「店が評判になり門徒さんも誇りに思ってくれている」と喜んだ。

等正寺は天台寺門宗総本山三井寺(園城寺)のすぐ南に位置する。寛正の法難の際、蓮如上人が滞在した旧跡で、京都の本山から福井の吉崎御坊まで歩く蓮如上人御影道中の最初の宿所でもある。

本堂の脇にはカフェスペースがあり「佐知’s Pocket」の看板を見ながら扉を開くと、キャラメルシフォンケーキやガトー・オ・ショコラなどが並んだショーケースが目に入る。棚にはクッキーやチョコだけでなく、梅煮昆布、しじみ生姜煮などの惣菜も。タピオカほうじ茶ラテ、生柚子ソフトクリームなどのカフェメニューやおせち料理の案内の脇には、墓参りのためのシキミが並ぶ。書院では本格的なコース料理を味わうこともでき、法事の御斎にも対応する。

佐知坊守は元は料理学校の講師で、結婚した後も料理教室を続けてきた。やがて生徒からの要望で菓子の販売を手掛け始めた。

規模が大きくなるにつれ、菓子製造業、飲食店営業の許可を得て、2014年には株式会社化。6~7人の従業員で店を切り盛りしている。「口コミのおかげで広まった。『おいしかった』と言ってくれた一人の門徒さんが、いろんな関係の知人を連れて何度も来てくださった」という。

コロナ禍からは弁当のニーズが増えた。先日は医師会の会合で仕出し弁当460個を出した。行政との関係も生まれ地産地消のプロジェクトに参加し、花火大会や祭りなどにも出店している。今秋に滋賀県で開かれた国スポ・障スポでは天皇皇后両陛下の行幸啓のために菓子を納めた。

宗派関係の訪問も多い。坊守会の研修で蓮如上人のご旧跡としてツアーが組まれ、堅田源兵衛の伝承の解説とともにグルメも楽しむ参加者らに信禎住職は「どっちが本当の目的なのか」と苦笑い。11月の本山報恩講に合わせて訪れる人もいるという。

宗派を超えて周辺寺院にも知られ「お寺さんがクリスマスケーキを買いに来る寺」は今まさに繁忙期だ。

(武田智彦)

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