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宗教と文化の専門新聞 創刊1897年
中外日報社「宗教文化講座」

宗教は毅然と示せ 軍事的解決への拒否(3月18日付)

2026年3月19日 09時18分

アメリカとイスラエルによるイラン攻撃は、イランによる反撃が周辺諸国に及び、ホルムズ海峡封鎖で全世界に影響を及ぼしつつある。宗教から見て気がかりなのはアメリカのドナルド・トランプ大統領がキリスト教を自らの政策の基盤とすると受け取られる言動を繰り返していることだ。トランプ氏が任命し戦争長官の副称を与えたピート・ヘグセス国防長官は親イスラエルと見なされ、シオニズムを支持しているとも評される。アメリカ・イスラエルとイスラム教シーア派国家イランの対立は否応なく宗教的色彩を帯びてくる。

トランプ氏自身が宗教的な信念の持ち主だと思う人は少ないだろうが、MAGAの主張と共に、アメリカに宗教(キリスト教)を復活させるといった発言は多くの国民に影響を及ぼすだろう。

しかし、ギャラップやピュー研究所の調べを見る限り、トランプ氏や大統領のキリスト教重視政策を支持するヘグセス氏の言に反してアメリカでは宗教離れ、即ちキリスト教離れが進んでいる。

宗教は政治的目的、政治上の名目に利用されているようである。そうした利用を許すのは宗教の弱さだ。もし戦火が拡大するようなことがあれば、「宗教」がさらに対立の火に油を注ぐことにもなりかねない。宗教が一方でそのような危うさを持っていることは残念ながら否定できない。世界各地でその例がある。

いま、世界的に「信仰を持たない」と自認する人々が増えている。日本は人口比で中国に次いで2番目に無宗教者が多く、アメリカも最新のギャラップ調査では成人の24%が無宗教者ということになっている。無宗教者の増加を単純に宗教に失望した人々の増加と解釈することはできないが、あえて言えば、平和と安心に貢献できない宗教への信頼喪失を示す、と心得るべきである。

ロシアによる4年にわたるウクライナ侵略を止めることができないのは「人類の恥」だ、とウクライナ東方カトリック教会シェフチュク大司教は言った。中東の戦火は世界的な経済上の影響が懸念されているが、長引けばイスラエル、アメリカ、イランの当事者だけでなく、同じように「人類の恥」が糾弾されることになろう。

現実の問題としては暴力の連鎖の阻止が急務だ。平和の呼びかけを広げてゆくことが宗教者の課題だろう。宗教を政治的目的、経済的利害に利用されてはならない。無辜の民の殺戮の口実にされてはならない。

宗教者が毅然として暴力にNOの姿勢を示すことが必要だ。

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