PR
購読試読
中外日報社ロゴ 中外日報社ロゴ
宗教と文化の専門新聞 創刊1897年
第22回「涙骨賞」を募集
PR
第22回「涙骨賞」を募集

鎌倉仏教の中世…平雅行著

2025年8月27日 15時13分
鎌倉仏教の中世

南都仏教・天台宗・真言宗の旧仏教(顕密仏教)の腐敗・堕落に対し、法然・親鸞・道元・日蓮らが提唱した改革運動が民衆に広まり中世仏教の主流になったとする鎌倉新仏教史観は今なお日本人の歴史認識に強い影響を与えている。本書は過去数十年の歴史学研究の動向をベースに鎌倉新仏教史観を強く批判し、鎌倉仏教像の再構築を試みた。

そもそも古典的な中世史像は、中世の始まりを鎌倉時代から院政時代に改めるようになった学説の変化や、旧仏教は中世でも基幹的存在だったとする顕密体制論など、学界では1970年代頃から批判が加えられており、実質的にその歴史像は破綻しているという。

著者は鎌倉時代の仏教改革運動の勃興は旧仏教の堕落ではなく、源平の争乱や承久の乱という日本史上初の全国的内乱で従来の仏教による鎮護国家思想が大きく揺らいだことが要因と指摘する。

本書ではこのほか中世国家の宗教政策や差別を巡る問題、神仏習合、世界史の動きなど多様な観点に論及し、今後の研究課題を含めて日本中世史の全体像をあらためて描き出した。これらの知見には伝統仏教各派の宗学や教団史の見直しを迫る側面もあり、刺激に満ちている。一般向けの書として読みやすい文体でもあり、特に僧侶には必読の一冊だ。

定価1320円、法藏館(電話075・343・0458)刊。

宗教活動におけるマイクロアグレッション キリスト教会の日常に潜む暴力と向き合う

宗教活動におけるマイクロアグレッション キリスト教会の日常に潜む暴力と向き合う…コディ・J・サンダース、アンジェラ・ヤーバー著 真下弥生訳

11月26日

教会や神学校など、キリスト教の信仰共同体で起こる「マイクロアグレッション」を深掘りしている一冊。マイクロアグレッションとは日常の親密圏、地域社会などのコミュニティーで生じ…

藤原摂関家の誕生 ―皇位継承と貴族社会

藤原摂関家の誕生 ―皇位継承と貴族社会…瀧浪貞子著

11月21日

藤原摂関家はいかにして生まれたのか。古代天皇の評伝を手掛けてきた著者(京都女子大名誉教授)が摂関家誕生の裏に桓武天皇の「遺言」の存在があった可能性を指摘し、藤原北家の権力…

創学研究Ⅲ ――世界宗教論

創学研究Ⅲ ――世界宗教論…創学研究所編

11月20日

創価学会の信仰に基づく学問の形成を目指す創学研究所は昨年、設立5周年記念シンポジウムを催した。本書は「世界宗教」をテーマとした同シンポでの発表内容を中心に9本の論文を所収…

「死」を考える 生命は生きようとしている(11月21日付)

社説11月26日

宗教界の社会貢献 認知度改善の必要(11月19日付)

社説11月21日

能登の季刊情報誌 あふれる郷土への愛着(11月14日付)

社説11月19日
「墨跡付き仏像カレンダー」の製造販売は2025年版をもって終了いたしました。
長らくご愛顧を賜りありがとうございました。(2025.10.1)
中外日報社Twitter 中外日報社Facebook
このエントリーをはてなブックマークに追加