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自坊でマルシェや教室 絆深め寺の周知に精励

福井県坂井市 真宗大谷派唯称寺 山田理央若坊守

「『寺っていいな』という人が一人でも増えればと思う」と話す山田理央若坊守㊧と夫の慈昭氏 「『寺っていいな』という人が一人でも増えればと思う」と話す山田理央若坊守㊧と夫の慈昭氏

東尋坊にも程近い福井県坂井市にある真宗大谷派唯称寺(山田孝彦住職)は、地域との絆を深めるため「寺マルシェ」などのイベントを開いている。若坊守の山田理央氏は「寺院が厳しい時代を迎えるが『寺っていいな』という人が一人でも増えればと思っている」と話した。

寺マルシェは2016年、母親で坊守の顕子氏が中心となって始めた。年に1度、県内外の飲食店、ハンドメード作家らの店が駐車場に並び、ワークショップも行う。福井別院で開いたこともある。

今年から理央氏が引き継ぎ、9月29日に45店が集まる。同寺では育児の悩みを共有するためのサロン「のの・まーの」や寺ヨガ、昔ながらの書道教室も開いている。

理央氏は、当初は収益も出ない取り組みに疑問を感じていたが、長いスパンで寺院を守っていくためにはお寺を知ってもらい、気軽に足を運んでもらう場所にすることが大事だと分かった。

もともと人と関わるのが好きだったので、その性格を生かすことができている。「私は東京にある坂井市のアンテナショップで働いて店長まで務め、接客も好き。『私のファンになってくれたな』と分かると売り上げも上がるし、うれしい。様々な人が来るし、苦手な人もいるのも分かるのが自分の性格には合っていた」

イベント開催は都市部では珍しくないが、地方では「寺院はこうあるべきだ」という考えから抵抗感のある地域もある。

夫の慈昭氏(37)は「寺院としての格式の高さ、ハードルを下げるわけではなく、現代的なイベントと伝統を両立させられれば。長期的にはイベントだけでなく伝統的な儀式もきちんとやっていることまで知ってほしい」と話す。

滋賀県の寺院出身の慈昭氏は本山の准堂衆も務める儀式のエキスパート。「伝統に即した重みのある儀式を行っている自負はあるが、これまで接点のなかった方がいきなり深く関わるのは難しいので、そこに至るきっかけになれば。報恩講に『講』の字があるように、イベントの開催も人々の集まりを大切にしてきた真宗の在り方に沿っている」と考える。

理央氏は「寺に生まれたが、もともとは寺を継ぐつもりはなかったので、実質的に結婚して寺に入ったような状態。得度はしたものの、お勤めなどは夫に任せている」という。

慈昭氏は「お互い得意なところで寺を守っていきたい」と話した。

(武田智彦)

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