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武道・ヨガで交流促進 踊り念仏プロジェクトも

神戸市兵庫区・時宗満福寺 岩田尚登住職

「お寺で居場所」で自身の修行にと欠かさず法話をする岩田住職 「お寺で居場所」で自身の修行にと欠かさず法話をする岩田住職

時宗の宗祖・一遍上人(1239~89)入寂の地から程近い満福寺(神戸市兵庫区)の岩田尚登住職は、地域や寺、宗派のそれぞれが持つ特徴を生かした企画や取り組みを通じて、檀家の枠内だけではなく業種を超えた人々の交流づくりを続けている。

岩田住職は滋賀県長浜市・興善寺の出身。満福寺は岩田住職が生まれ育った興善寺と同じく時宗二祖真教上人が開基で、真光寺の隠居寺と呼ばれていた由緒を持つ。満福寺は岩田住職が継職する前は、前住職が兼務する複数カ寺の一つだった。前住職からぜひ若い人に満福寺の住職を任せたいとの希望があり、都会で住職がしたいという岩田住職の思いも重なって、2000年に同寺を継いだ。

就任当時は阪神・淡路大震災から5年。復興途上の街中にあって、檀家が遠方に越してしまうなど、地域や檀家とのつながりに距離を感じたという。

14年に庫裏が完成し、境内の震災復興に区切りを得たのをきっかけに、地域と檀家との「ご縁づくり」や宗祖上人と二祖上人にゆかりのある満福寺の知名度を高めたい――。そう考えて、松本紹圭氏が主宰する「未来の住職塾」で学んだ。

地域に寺があることを大切にしながら、寺が持つポテンシャルの引き出しを目指した。宗祖上人が念仏布教に取り入れた音楽性や体を動かす踊りに着想を得て、武道やヨガ、ダンス、コンサートなどを本堂で開く「お寺で居場所~満福寺」を始めた。

近くの会館でワークショップを催す即興演奏集団や、市内のプロダンサーグループらに出演や協力を依頼した。

来場者に楽しんでもらい、寺の存在や雰囲気を知ってもらうことが狙いだったが、幾度も参加する人が増え、出演者側からも「また本堂を使いたい」と反響があった。岩田住職も想定しない形で人と人のつながりが広がっていった。

今では2カ月に1度の「お寺で居場所」に加え、ヨガ講師の希望で月2回のヨガ教室を開く。

4年前には、地元兵庫区の出身で真光寺の檀家の舞台演出家・やなぎみわ氏らと協力し、踊り念仏プロジェクト「YUYAKU(躍踊)」も設立。アートイベントなどからのオファーが絶えない。

「宗祖一遍上人が布教に踊りを取り入れたように、現代風にアレンジすることでお寺や仏教の輪を広げたい」

(伊賀明)

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