PR
購読試読
中外日報社ロゴ 中外日報社ロゴ
宗教と文化の専門新聞 創刊1897年
2025宗教文化講座
PR
2025宗教文化講座 第22回「涙骨賞」を募集

地元の芸術向上 貢献 自然法爾を大切に指導

東京都台東区・浄土真宗東本願寺派妙清寺 本多良之住職

最新作「月に竹露」の前に立つ本多住職 最新作「月に竹露」の前に立つ本多住職

浄土真宗東本願寺派妙清寺(東京都台東区)の本多良之住職は、画家として信仰心溢れる作品を生み出すとともに、絵手紙教室や水墨画教室の講師を務め絵を指導し、絵を通して地域の芸術文化向上に貢献している。

1956年に妙清寺に生まれ、書家だった父の本多良謙・前住職の影響で3歳の頃から書や絵に親しんだ。子どもの絵の教育の重要性を説いた外山卯三郎氏の弟子、林田重正氏に油絵を学び、その後、前住職の師だった会津八一氏の「絵のある書」(絵手紙)に出合った。

78年に大谷大を卒業後、東京本願寺(現東本願寺)に入り、20年の間に法務部長、内事部長、総務局長、総務などを歴任。茨城県牛久市の牛久大仏(全長120㍍、93年完成)の建立に建設委員会の事務局長として携わった。

98年に本山を退職し、妙清寺17世住職を継職。この時「絵を通して仏縁を」と願い、得意の絵手紙の技術を生かして日本絵手紙協会の公認講師となり、絵手紙教室を主宰した。12年前からは、地元の水墨画サークル墨英会、墨友会の講師も務めている。

指導方針は林田氏の精神を受け継ぎ「芸術は形にとらわれずに楽しみ、続けることが大切」とし、基本的なことを教えた後は自由に描かせている。「心を込めて一生懸命研鑽を積むことで、技術は自然に身に付いてくる。下手でもいい。思いのままに描いてほしい」と自然法爾を大切に指導する。

活動が台東区の文化、芸術関係者の目に留まり美術会常任委員を委嘱され、美術展の審査委員などを務める。自身の作品も展覧会で度々入賞。地域の多くの施設、店舗などに本多住職の作品が飾られている。

「月の本多」との異名を持つ。作品には月が多く登場し、金属箔を使うなど多彩な技法で描かれている。

最新作は地元のマンションのエントランスに掲げられた「月に竹露」。幅2・67㍍、高さ1・23㍍の本金箔・絹本仕様の絵が二額一対になった大作だ。表具にもこだわり、黒色でちりめんのオリジナルマットで絵を囲んでいる。メインの月はプラチナ、白金、バナジウムを押して表現した。

「継続は力なり。『道は極めるものではなく歩むもの』との精神で、今後も絵の指導や創作活動を続けていきたい」

(河合清治)

土間エリアと床エリアが大テーブルで一つにつながる独特の構造。仏教書が並ぶ棚にはもともと内仏があった

庫裏改装し図書館運営 ホーム入居者らも集う

8月1日

大阪市住吉区の真宗大谷派受念寺副住職で、脳神経内科医でもある岸上仁氏は昨年4月、旧庫裏を改装して私設図書館「念々堂」を開館した。カフェのようにくつろぎながら先人の知恵の宝…

学校の宿題に真剣に取り組む子どもら

子の居場所づくりに力 寺子屋や農業体験企画

7月4日

眼前に広がる相模湾と三浦大根が名産の畑作地帯に囲まれたのどかな場所に浄土宗福泉寺(神奈川県三浦市、松原尚樹住職)はある。毎週寺子屋を開いており、松原大悟副住職(34)は活…

普段は笑顔を絶やさず、聞き役に徹するロボアム氏

弘法大師に心引かれ僧へ ごまかさない生き方説く

6月13日

高野山真言宗総本山金剛峯寺塔頭親王院で30年近く修行に励んできた。フランスのパリ出身で「真光」は僧名。本名はティエリ・ロボアムといい、カトリックのイエズス会所属の神父でも…

被爆者が語る実相 悲惨であっても直視を(8月20日付)

社説8月22日

保守分裂下の戦後80年 社会の「分断」傾向を憂慮(8月8日付)

社説8月20日

無言の“被爆伝承者” 惨禍物語る宗教施設遺構(8月6日付)

社説8月8日
このエントリーをはてなブックマークに追加