PR
購読試読
中外日報社ロゴ 中外日報社ロゴ
宗教と文化の専門新聞 創刊1897年
第22回「涙骨賞」を募集
PR
第22回「涙骨賞」を募集

歴史・音楽で町活性化 開かれた寺 夫婦で志向

京都市伏見区 浄土宗常念寺

童謡や発声練習の声が聞こえてくる常念寺本堂=常念寺提供 童謡や発声練習の声が聞こえてくる常念寺本堂=常念寺提供

桂川右岸の京都市伏見区淀水垂町にある常念寺は、本多廣賢住職(73)と寺庭婦人の茂美氏(79)の「二人三脚」で歴史を通じた町おこしや、檀家以外にも開かれた寺づくりにパワフルに取り組んでいる。

桂川では近年の発掘調査で2300年前の石器や壺、当時の姿をとどめる江戸時代初期の川船などが出土し、淀は歴史ある町として再発見されている。

淀の町を盛り上げる活動の一環として同寺は昨年、淀殿の念持仏だったと伝わる秘仏・郡分十一面観音菩薩像を初公開した。これを機に常念寺を知った人もいたという。今年も特別公開を行い、大学教授や桂川遺跡の調査員による講演も催した。

本多住職は「淀の町は京都競馬場や河津桜のイメージが強いが、京都の中心地が発展する上で重要な場所だった。昔の人々が守ってきた観音様や淀の歴史を知っていただき、町を盛り上げたい」と語る。

他方、茂美氏は幼稚園教諭の経験を生かし、音楽を通じて開かれた寺づくりに取り組む。「お寺はかつて人が集まる場所だった。檀家さん以外の地元の方が立ち寄ってくれるような雰囲気にしたい」と、多くの人が親しんできた童謡を歌う「童謡くらぶ」を始めた。参加者からの浄財で電子ピアノやミュージックベルを購入し、備品などを整えた。

歌唱の基礎となる発声を教えてほしいとの要望を受け、メゾソプラノ歌手の田川理穂氏を講師に「お寺ボイトレ」も開くようになった。

また、地元の人にプロの生の音楽を届けたいとの思いから「ふれあいコンサートin常念寺」を年に1回催し、今年で25周年を迎える。戦後80年の節目の年でもあり、戦争の犠牲者を追悼するイベントの開催も検討中だ。

ただ寺でのイベントには課題もあるという。茂美氏は「子育てに励む親や子どもにも来てもらいたいが、コーラスが好きだったり、音楽に元から関心があったりする人が来る段階にとどまっている。本当に来てほしい人たちに思いが届かないのが悩みの種だ」と打ち明ける。

それでも淀を盛り上げたいという熱い思いは変わらない。本多住職は「命が続く限り寺庭婦人には音楽で、僕には僕のできることで地域に貢献したい。淀の歴史や地域に誇りを持ってもらえればうれしい」とほほ笑む。

(椎葉太貴)

ベトナムでの採燈護摩に向かう日本人僧侶の行道。先頭が寺島住職

ベトナムで採燈護摩 日本由来の修法、世界へ

10月2日

昨年からベトナムで採燈護摩を営み、仏教交流で両国の架け橋を担っているのが寺島清弘・天台宗来迎院(茨城県常陸太田市)住職だ。 ベトナムでの採燈護摩は北部の中心地、ハノイから…

様々な取り組みを通して開かれた寺院を目指す和田住職

坐禅会を交流の場に 市のSDGs制度 認証

9月19日

川崎市中原区の曹洞宗大乗院は今年、開創400周年を迎えた。タワーマンションが林立する武蔵小杉駅周辺など大規模な再開発で街の姿が様変わりする中、地域に根差した様々な活動を通…

参加者一人一人に語り掛けるように法話する村井住職

おとな道場で瞑想・写経 心の余裕 取り戻す場に

9月5日

埼玉県東松山市の日蓮宗妙昌寺は、月1回のペースで「おとな道場」を開いている。毎回の参加者は10人程度で、一人一人が丁寧に自分と向き合える。自然あふれる静かな環境に身を置き…

人口減社会と宗教の役割 地域の人々の心をつなぐ(10月8日付)

社説10月10日

AIの進化の方向 「人間」の領域との関係(10月3日付)

社説10月8日

大事なのは関係性 被災地での支援活動で(10月1日付)

社説10月2日
  • お知らせ
  • 「墨跡付き仏像カレンダー」の製造販売は2025年版をもって終了いたしました。
    長らくご愛顧を賜りありがとうございました。(2025.10.1)
  • 論過去一覧
  • 中外日報採用情報
  • 中外日報購読のご案内
  • 時代を生きる 宗教を語る
  • 自費出版のご案内
  • 紙面保存版
  • エンディングへの備え―
  • 新規購読紹介キャンペーン
  • 広告掲載のご案内
  • 中外日報お問い合わせ
中外日報社Twitter 中外日報社Facebook
このエントリーをはてなブックマークに追加