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第22回「涙骨賞」を募集
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おとな道場で瞑想・写経 心の余裕 取り戻す場に

埼玉県東松山市 日蓮宗妙昌寺

参加者一人一人に語り掛けるように法話する村井住職 参加者一人一人に語り掛けるように法話する村井住職

埼玉県東松山市の日蓮宗妙昌寺は、月1回のペースで「おとな道場」を開いている。毎回の参加者は10人程度で、一人一人が丁寧に自分と向き合える。自然あふれる静かな環境に身を置き、写経や瞑想をするひとときが心のゆとりを取り戻してくれる。

東京・池袋から東武東上線の急行で1時間。森林公園駅から車で15分ほどの田園地帯に妙昌寺は立つ。日曜日に開かれる「おとな道場」には、近隣の檀家のほか、東京からも信徒が集まってくる。8月は17日に行われ、参加者は6人だった。

毎回のスケジュールは村井惇匡住職の法話と瞑想、写経。この日の法話は親子のエピソードが幾つか紹介され「してくれないことに腹を立てて、してくれたことに気が付かない。気付ければ感謝の気持ちが湧き、ありがとうの一言が人間関係を和やかにする。お盆は恩を再確認できる良い機会」と語られた。

続いて瞑想、法華経の写経に取り組んだ。堂内にエアコンはなく、風が心地よく吹き抜け、集中する参加者の背にセミの声が降り注いだ。参加者からは「ここに来ると心が落ち着く」「愚痴が出なくなるから、気持ちが立て直されているのだと思う」といった感想が聞かれた。

同寺は1271(文永8)年、日蓮聖人が佐渡流罪の際に立ち寄り、81(弘安4)年に青鳥城主・藤原利行が創建したと伝わる。様々な題目板碑が残る古刹だが、一時は衰微し昭和に入り漸次再興されてきた。もともと信者寺で、冬季の寒行、元旦の水行、春の花まつりなどには一般の人が多く訪れる。「檀家の縛りがないと気楽で来やすいのかも」と村井住職はほほ笑む。

夏休みに行っていた泊まりがけの「こども道場」が好評で、大人版も開いてほしいとの声に応えて始めた。告知は寺報だけで、ほとんどの人が信者同士の口伝えで参加している。近年は小中学生も来るようになり、学校では長時間じっとしていられない子も、ここでは静かに写経をするという。

「皆さん特に口に出すことはなくても何かを抱えている。自殺しようというような思いに駆られたとき、和尚があんなことを言っていたなと思い出し、少しでもブレーキになればありがたい。お祖師様が今ここにいらっしゃったら何をされるかと考えながら、これからも細く長く続けていきたい」と村井住職は話している。

(有吉英治)

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